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韓国EXT社のPF工法およびSAP工法

CORE技術研究所 コスト・工期とも大幅に低減できる新基礎杭工法の国内展開目指す

公開日:2018.10.15

 CORE技術研究所は、韓国の大手基礎施工会社EXT社との間で同社の各種非破壊検査技術とEXT社が保有する建築・土木杭基礎工法であるポイントファウンデーション工法(PF工法)およびスクリューアンカーパイル工法(SAP工法)を相互に日韓国内のドメスティックライセンスを供与する覚書を交わした。CORE技術研究所は、年内にも両工法の工法研究会を設立し、3年後には3億円程度の売り上げを目指す。「既に地方の基礎専業会社を中心に4~5社ほどが研究会への入会を希望している」(真鍋英規社長)状況だ。

EXT社と覚書を交わした/PF工法の施工状況
 PF工法の特徴は、杭頭から数m深さの部分を太く、それ以下をスレンダーにした構造。施工時は掘削しながらセメントミルクで攪拌混合しており、残土はほとんど生じない。加えて、CORE技術研究所では子会社であるセリックジャパンが保有する防塵地盤固化材「パワージオボンド」を併用することで施工時の粉塵もほとんど発生させない改良を施している。監督者と技能者合わせて1ユニット4人で施工可能。杭本数の削減や残土処理が不要なことから従来工法(PHC杭打撃工法)より、工期を約3分の2、コストを約2割縮減できる。韓国では中層建築、盛土、堤防や橋梁などの基礎において使用されており、日本でも同様の用途に適用を図る。
 SAP工法は、既設基礎の補強や狭隘部の杭基礎の施工が適用対象。コンパクトな建設機械を用いており、最小空頭2.7mでも施工可能で、施工時の騒音も60~65dB程度に抑制できる。従来工法(場所打ち杭工法)に比べ、22~33%のコスト縮減が可能で、工期は従来比半分から3分の1程度に大きく短縮できる。人員もPF工法同様1ユニット4人としている。

SAP工法の施工に使う機械と施工状況
 CORE技術研究所は、従来橋梁やトンネルを中心とした社会基盤構造物の維持管理に関するコンサルティングを主分野としてきたが、「今後は下部工基礎の建設コンサルティングにも注力し、事業領域を広げていく」(真鍋社長)方針だ。

(井手迫瑞樹、2018年10月15日掲載)

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