725g軽く コンパクトで現場でのハンドリング性に優れる
エバープロテクト コンクリートの表層品質や表面含浸材の性能確認試験機「POROSiT」を開発
エバープロテクトは、新設および既設コンクリートの表層品質やコンクリートの保護に用いられる表面含浸材(けい酸塩系・シラン系)の性能効果の確認を行う簡易型表面吸水量試験機「POROSiT」を開発し、広く展開を図っている。725gと軽いため、現場でのハンドリングに優れている。(井手迫瑞樹)
国土交通省とりわけ東北地方整備局などでは、表層品質を表面吸水量などの試験で確認することで品質の向上を図っている。また表面含浸材も同様の試験を行うことで表面の撥水効果や緻密性などをある程度確認できる。POROSiTは、そうした試験を手軽に行うことを目的とした機械でシリンダーと吸水カップおよび吸着ベース部で構成される。シリンダーから水を供給して、その減る量で吸水量を計り、コンクリート品質の性能や表面含浸材の効果を確認するもの。
吸着ベースの概要図/シリンダー及び吸水カップ
真空ポンプを用いてコンクリート表面に吸着させているため、コンクリート表面には全く測定の形跡をつけることが無い、また装備がコンパクト(240×130mm)で軽いため持ち運びが簡単、測定箇所を決定してから測定開始までを手早く行える、1箇所当たり10~30分の短時間で測定できる――ことなどが特徴だ。
測定手順は①吸着ベースを測定箇所にセットして真空ポンプを作動させ、吸引してコンクリート面に密着させる、②吸水カップの下部よりチューブおよび注射器を用いて水を供給、③シリンダーの最上部(水頭300mm)まで供給して注水バルブを閉める、④水供給を完了してから目視で吸水による水の減少量をシリンダーの目盛りを見て計測する(ここでは1分ごとに10分まで計11回目盛りを測定する)、⑤測定値を入力シートにインプットする、⑥自動計算結果が出力される――というもの。コンクリートの表層品質の確認やシラン系含浸材の撥水効果は約10分、けい酸塩系の緻密性の確認は30分程度測定することを推奨している。
自動計算して出力される測定結果
1機当たりの価格は35万円(税別)。
(2018年1月1日掲載)