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㈱橋梁保全研究所・㈱小野工業所の定着体付き鉄筋継手を用いたプレキャストRC床版
「TAKUMINO 床版工法」~上下線分割施工と工期短縮ができる床版取替工法~

プレキャストRC床版の架設状況

KeyPoint

  • 産・学・官の共同研究で開発、実用化。省力化+現場工程短縮 ⇒ i-Construction を推進
  • 定着体形状により、現状と同じ床版厚で施工ができ、かつ上下線分割施工も可能
  • RC構造なので、地元の建設会社による施工、コンクリート二次製品製作工場で対応ができるため、「地域の橋は地域で守る」ことができる。
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NETIS登録番号TH-220003-A
公開日:2022.11.17

 定着体付き鉄筋継手を用いたプレキャストRC床版「TAKUMINO床版工法」は、主に地方自治体が管理する中小規模橋梁の床版取替工法として開発した。地方自治体管理の道路には、様々な基準で構築された橋梁が存在して道路ネットワークが構築されているので、床版取替工事では既設橋梁に対応した取替床版の形状を適宜設定することが必要となる。また、地方自治体の維持修繕業務は、主に地元の建設会社が担っており、高度な技術を駆使した対策工法による維持修繕は難しいと考えられる。これらのことから、基礎技術を見直し、技術者不足や工事の遅延を避けるためプレキャスト製品の活用による品質向上と地域で一貫して製作・施工が可能な床版取替工事ができることを目指して工法開発を行った。
この「TAKUMINO床版工法」は、前述した地域内で製作・施工ができ、かつ省人化と現場工程の短縮化が図れることを目標として、産(㈱小野工業所、㈱後関製作所)、学(東北大学工学部、岩手大学工学、日本大学生産工学部)、官(山形県上山市)の共同研究で開発し、現場での実証試験を経て実用化された。

下記に特長を挙げる。

・産学官の共同研究で開発、実証試験を経て実用化に至る
・RC床版なので、床版の製作形状に自由度があり、斜角や曲線等の形状にも対応ができ、かつ定着体付き鉄筋(タフテッキン:特許製品)の使用により、既設橋梁と同じ床版厚での製作が可能になる
・プレキャスト化により安定した品質のRC床版が製作されるので、従来工法(現場打ちRC床版)と比べ、大幅な省人化と現場工程の短縮化が図れる。
・定着体付き鉄筋の継手構造は、輪荷重走行疲労試験において耐疲労性が向上しており、上下線の分割施工が可能となる。したがって、迂回路を仮設することなく、利用者の通行路及び車道の確保ができる。
・RC構造物のため、その地域のコンクリート2次製品製作工場で製作ができ、地元の建設会社が施工できる。

「TAKUMINO床版工法」の適用範囲を下記にしめす。
・鋼道路橋(合成桁、非合成桁)の床版打ち換え
・床版支間長が3.0mまで
・プレキャストRC床版設置のため架設クレーン(25t以上)の設置場所が確保されること
・クレーン、アジテータ車等の施工ヤードが確保されること

「TAKUMINO床版工法」が有効な施工条件
 ・現場施工工期の短縮が要求される橋梁
 ・通行止めができない橋梁
 ・迂回路が設置できない橋梁

施工実績

秋田県男鹿市 外ヶ沢1号橋橋梁補修工事 (28㎡)
岩手県 県北広域振興局 一般国道395号猿越橋橋梁補修(床版取替)工事 (485㎡)

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担当者連絡先

株式会社 橋梁保全研究所
〒980-0013 宮城県仙台市青葉区花京院1-1-20 花京院スクエア18階
電話 022-397-6733 FAX 022-397-6736

株式会社 小野工業所 技術部
〒960-2261 福島県福島市町庭坂字堀ノ内3-1
電話 024-591-1001  FAX 024-591-1842
メールアドレス tech@ono-net.co.jp
【ホームページ】
https://onokogyosyo.takumino.co.jp

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