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インタビュー詳細

調査・診断だけでなく解析、補修・補強設計および施工計画まで一気通貫できるシステムが売り

CORE技術研究所 真鍋英規社長インタビュー

株式会社CORE技術研究所
代表取締役社長
真鍋 英規 氏

 CORE技術研究所は創業して5年度目に入った。PC橋を中心とした橋梁の補修補強を、点検・診断から解析、設計、そして施工計画まで行える橋梁を上流から下流まで診れる会社として、着実に成長している。人員も設立当初の10人から56人まで増加し、さらに業容の拡大を図っている。業務の内容や新技術、新材料の開発なども含めて真鍋英規社長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


PC橋の点検・診断・補修補強・施工計画を一連でできる会社

 無いなら自分で造ろう

 ――会社を創立して何年たちますか

 真鍋 4年と5ヶ月です。

 ――会社設立の経緯は

 真鍋 設立の前からストックされた橋梁など道路インフラの維持管理の重要性については認識していました。これを点検・調査から診断し、補修・補強設計およびその後の施工計画まで一連でできる会社は、当時あまりありませんでした。無いなら自分でそういう会社を作り上げてやろう、と思ったのが設立の動機です。

 ――昔からそういうことをしたいと思っていたのですね

 真鍋 そうですね。富士ピー・エスさんおよびPC建協で育てて頂いていただきましたが、私が30歳代後半に差し掛かったころから、新設が頭打ちになる状況が見えてきていました。その半面、必要とされる技術はこれから維持管理であるという思いを有していました。特に設計・施工が厳しく分離されたころから、両方ともに携わりたい自分としては一本立ちしなければいけないな、と思っていました。


喜連瓜破高架橋の桁沈下抑制にも携わる

 大阪市立大学では真島教授に師事

 ――社長と初めて会ったのは10数年前、大阪の富士ピー・エスの支店内だったと記憶していますチャンネル形状プレキャストPC床版の開発や喜連瓜破高架橋(阪神高速道路)のゲルーバーヒンジ部が沈下しつつあった箱桁を大偏心外ケーブル構造としプレストレスレスの鉛直分力で沈下を抑制したことがとても印象に残っています。喜連瓜破高架橋の外ケーブルと鋼製のトラスサンドルを使った桁の沈下抑制など、非常に独創的ですが、こうした発想や技術をどのように身に付けていかれたのですか

 真鍋 大阪市立大学でコンクリートの先生(真島光保教授)に付いて学んでいたことが大きいですね。就職は当時不況で採用の門戸は非常に狭いものでした。当時の就職の担当教官は園田恵一郎先生で、園田先生に富士ピー・エスさんを推薦していただきましたので、それに従い入社しました。同社では設計業務に携わった後、現場に出るというチャンスに恵まれました。特に大阪では当時の支店長や支店の技術部長さんに可愛がっていただきました。松井繫之先生(大阪大学名誉教授)や宮川豊章先生(京都大学特任教授)など大学の諸先生との共同研究にも関わらせていただきました。そんな中で構造力学や材料工学など様々な分野を学ばせていただきました。松井先生と宮川先生ですから(笑)、維持管理の重要性に自然に目覚めさせていただきました。

 喜連瓜破高架橋は、昭和50年代に建設した橋ですが、供用しているうちに中央のゲルバーヒンジ部が垂れ下がっていく症状が出ていました。オーバーレイなどを行ってだましだまし使っていましたが、最終的に補強前は設計値と比較して25cmぐらい下がっていました。これは、当時の施工方法やASRなども影響していたようです。これを本格的に直す業務に富士ピー・エスさんの課長時代に取り組みました。先生では大阪市立大学の園田先生にご指導いただきました。


補強された喜連瓜破高架橋(井手迫瑞樹撮影)


外ケーブルと鋼製のトラスサンドルを使った桁の沈下抑制(井手迫瑞樹撮影)


 本当は下から柱でつくのがベストですが、交通が激しい交差点ですからそれは不可能です。それで次善策として、鉛直分力を積極的に与える手法として、現在のような大偏心のPCケーブルによる補強方法を提案しました。

 ――よく考え付きましたね

 真鍋 逆にあれしか無かったのですよ。PC箱桁内部に外ケーブルを入れる方法も試算しましたが、現在の形式のような鉛直力が全くでなかった。保全分野の技術者として非常に自信がついた現場でした。


チャンネル形式のプレキャストPC床版を開発

 末広高架橋(関西空港連絡道路)で実際に適用

 ――その富士ピー・エス時代で一番印象に残っている仕事は何でしょうか

 真鍋 いずれも当時の日本道路公団から受注したPC橋で、自分自身で設計を行い現場施工も行った近畿道の城山南高架橋や和歌山道の大野芝高架橋などは思い入れが深いプロジェクトです。また、松井先生の指導の下、末広高架橋(関西空港連絡道路)ではチャンネル形状プレキャストPC床版を開発し、実際に鋼橋に適用しました。

 チャンネル形状のプレキャストPC床版でこれは私のドクター論文の題材でもあります。この床版を開発して、新設鋼桁の上に急速施工という形で架けました。同橋は関西空港連絡道路の南海電鉄を跨ぐ個所に架かる橋梁です。新形式のプレキャスト床版で現場工期の短縮と省力化を強く打ち出しました。非合成桁でしたので、面タッチを非常に少なくしたチャンネル形状としました。現在のプレキャストPC床版のはしりと言えるかもしれません。間詰部は無収縮モルタルを打設しプレストレスを導入する構造でした。

 ――CORE技術研究所は当初何人ぐらいで立ち上げたのですか

 真鍋 10人です。PCの設計・施工、およびコンクリート構造物の点検・調査および解析に関する専門技術者を中心に設立しました。現在は役員(4人)を含めれば56人まで拡大しています。

 ――これだけの規模に拡大できた要因は

 真鍋 やはり人のつながりでしょうね。今までお付き合いさせていただいてきた人たちに助けられました。一緒に旗揚げしたメンバーも独自の人脈を有していました。その人脈を活用できたことが仕事をとっていく上で大きかったと思います。