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鋼床版U-リブ下面からの当て板補修工事などが対象 従来製品よりコスト2割縮減、施工時間は約半分に

阪神高速、大阪市大、ポップリベット・ファスナー 『POP高力ワンサイドボルト』を開発

公開日:2021.11.22

 阪神高速道路、大阪市立大学橋梁工学研究室とポップリベット・ファスナーは、片側施工ができる摩擦接合用高力六角ボルト『POP高力ワンサイドボルト』(特許第6709049号)を開発した。鋼床版U-リブ下面からの当て板補修工事などが対象。現在土木用途で用いられているワンサイドボルトと異なり、ボルトは市販の高力六角ボルト、バルブスリーブは市販の機械構造用炭素鋼鋼管を切削加工したものを用い、部品点数を5点(従来は6点)に少なくするなどの特徴を有する。また、従来のワンサイドボルトと同様の呼び径であり、下孔の径を変える必要はない。作業時間は1個所当たり23秒と従来の半分以下に短縮でき、材料コストも約2割程度縮減できる。

試験施工状況

締結前後の製品/POP高力ワンサイドボルト断面図

 同製品は高力六角ボルト(F10T相当)、座金、アウターナット、バルブスリーブ、インナーナットの5点の部品から構成されている。シャーワッシャーがない代わりに締結過程でナット相当部分を塑性変形で形成するのと同時に、導入ボルト軸力を材間圧縮力に変換し強固な締結を可能にした。

材間圧縮力の発生メカニズム

 バルブスリーブには2本の溝が掘られているが、材間圧縮力を向上させるための溝と、ナット相当部に塑性変形を促すための溝で、前者は部材に開けられた下孔の縁を利用して導入ボルト軸力を材間圧縮力に変換する役割を果たしている。後者はより大きく塑性変形を促すことができる機構で、施工時間を短縮する効果を有する。

バルブスリーブ溝部周辺の形状変更


各種試験結果(拡大してご覧ください)

 施工はTONE製の軽量・コンパクトな専用レンチを使用して鉸める。トルク制御、オートカット機能を有しているため、作業所が習熟していなくても高精度な締め付けが可能。反力を高力ワンサイドボルト自身で受けるため、反力を受ける場所を考慮する必要なく作業できる。

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