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旧橋の上部工撤去ではECI方式を導入

国土交通省北陸地方整備局 妙高大橋の新橋が開通

公開日:2021.08.04

 国土交通省北陸地方整備局高田河川国道事務所が架替事業を進めてきた国道18号「妙高大橋」の新橋が、3日14時に開通した。並行する上信越自動車道とのダブルネットワーク化により、平常時・災害時を問わない安定的な交通確保を図る。


開通した妙高大橋(新橋)。右側が旧橋(高田河川国道事務所提供。以下、同)

事業概要

 新潟県妙高市内の太田切川に架かる妙高大橋(旧橋/橋長300m、PC4径間連続箱桁橋)は、1972年の建設から約50年が経過。2009年度の補修工事の際に箱桁下面のPCケーブルの破断が発見され、その後、補強ケーブルの設置などの応急処置や定期的な詳細調査などを行い、安全を確保していたが、恒久的な対策として架替を行うこととなった。
 2012年度に事業化され、新橋を含む妙高市二俣~同市坂口新田間の延長1.1kmの整備が行われた。旧橋の西側(太田切川の上流)に建設された新橋は、橋長203mの2径間連続非合成鋼トラス橋。架橋地は太田切川の洗掘により深い谷地形となっており、中腹には大田切清水と呼ばれる湧水があり、基礎工で斜面の安定と湧水に対する対策が必要となったため、斜面上の橋脚基礎と太田切川を避けて、谷部の平地に橋脚を設ける2径間の橋梁とした。支間長は94.8m+105.8mで100mを超えることからトラス構造とし、豪雪地帯であるため道路上への落雪を避けることから上路式を採用した。上部工施工は、JFEエンジニアリングが担当し、クローラクレーン・ベント架設とトラベラークレーン架設を用いて架設を行った。


架設中の新橋。手前が旧橋、奥が上信越道・太田切川橋

 旧橋の上部工撤去は、来年度以降、約2年をかけて行う予定となっている。損傷桁を撤去することから安全性の再検討が必要になるとともに、施工時においても随時状況の確認が必要となることから、設計段階から施工者独自のノウハウや工法などの技術協力が求められる工事となる。そのため、発注にあたってはECI方式(技術提案・交渉方式(技術協力・施工タイプ))を導入した。橋脚撤去については、通常の撤去工事として発注される見通しだ。

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