道路構造物ジャーナルNET

設置面積は約1,500㎡。そのうち、9割がクイックデッキライトで工期短縮に寄与

日綜産業 京都府・笠置大橋塗替え塗装現場で「クイックデッキ」と「クイックデッキライト」が採用

公開日:2021.04.30

 京都府山城南土木事務所が京都府相楽郡笠置町で施工中の「奈良笠置線(笠置橋)道路メンテナンス(橋修)工事」で、2工区のそれぞれの工事を受注した坂本塗装工業と近畿安全施設が、日綜産業の先行床施工式フロア型システム吊足場「クイックデッキ」と「クイックデッキライト」を組み合わせて採用し、安全性と作業性の向上を図っている。
 笠置大橋は1959年に架設された3径間連続ゲルバートラス橋で、橋長約200m。工事は橋桁とトラス部の全面塗替えで、鉛を含む塗装の剥離作業をともなうため、トラス部にも足場を設置し、橋梁全体を覆っている。
 クイックデッキとクイックデッキライトの設置箇所は橋桁部で、設置面積は約1,500㎡。橋梁の上流側と下流側の1スパンは、上部の足場の荷重がかかるため1㎡当たり350kgの耐荷重があるクイックデッキを、それ以外は耐荷重が200kgで問題ないためクイックデッキライトを採用し、接続用ジョイストで両製品を接続した。


橋梁全体に足場を設置

上流側と下流側1スパンにクイックデッキ、中間部にクイックデッキライトを採用した

 クイックデッキライトはクイックデッキよりも部材全体を約35%軽量化し、施工効率を20%向上させたもの。先行床施工式、無隙間無段差の安定した作業床、広いチェーンピッチによる快適空間などの特徴はクイックデッキと同様だ。
 坂本塗装工業の坂本達也社長は「段差のないフラットな足場なので、ものを運ぶ時も安全性が高い。また、チェーンピッチが2.5mと広く、足場部分の干渉箇所が少ないので塗替え作業が従来の足場より捗る点も助かる」という。また、近畿安全施設の辻優課長は「風の強い現場で、車両の通行もあるが、揺れが少なく安定しているので作業しやすい」と語る。足場施工を担当した細合実業の深田徹専務は「施工面積の9割をクイックデッキライトに切り替えたことで組み立て部材が軽量化し、クイックデッキより施工スピードが上がった。鉛含有の既存塗膜剥離時の飛散を防ぐため、今回の足場は隙間を塞ぎ、養生シートを重ねるなど密閉性を高める必要があり、単管足場だと2倍以上の時間がかかったのでは」という。
 塗装塗り替え工事は6月15日までに完了の予定。
(取材・文:八木香織/一部加筆:大柴功治)

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム