HOME現場を巡る一覧名古屋高速道路 都心環状線を通行止め(環状線の半周)でリフレッシュ工事を施工

現場を巡る詳細

高速都心環状線約9万7千平方メートルの舗装を修繕

名古屋高速道路 都心環状線を通行止め(環状線の半周)でリフレッシュ工事を施工

 名古屋高速道路公社は、昨年10月26~29日と11月2~5日にかけて高速都心環状線明道町JCT~鶴舞南JCT間の約5km(施工延長は8.4km)を全面通行止めして、RC床版の補修、複合床版防水の設置、舗装の打ち替え、鋼床版上の舗装打ち替えなどを主とするリフレッシュ工事を実施した。また、高速3号大高線は都心環状線が通行止めになると車が流入しないため、高辻までを通行止めし、その先の堀田出口までを車線規制して舗装打替えを実施した。施工延長は約3km。(井手迫瑞樹)


 内訳は鋼床版が約43,000㎡、RC床版が約54,000㎡。舗装のほか、遮音壁補修、高欄塗装、クッションドラム補修、伸縮装置取替え、照明柱点検、門型標識柱の更新、道路情報板の更新、その他の付属工事、構造物点検も合わせて行った。舗装修繕工事に係わるのべ人員は約5,600人に達した。


 都心環状線の1日平均交通量は、平日:約5.1~6.6万台/日、休日約4.1~5.1万台/日(H30年間平均)、大型混入率は14.6%(H27センサス値)。今回施工区間で最も古いのは東新町~東別院間で昭和60年5月に供用され34年が経過している。平成17年度に舗装(表層)の打ち替えを実施したが、その際に床版防水は行っていなかった。なお、都心環状線今回工事区間の設計上のRC床版厚は平均で230mm、最小個所では210mmである。


PP入り超速硬繊維補強モルタルで断面修復 

 RC床版部の舗装打ち替えは、まず舗装を撤去し、ショットブラスト(100g/㎡)で研掃する。次に目視および叩き点検で損傷箇所を確認する。今回、外観から明らかに土砂化など損傷が確認できる箇所、及び事前調査より床版の損傷が疑われる箇所を特に優先して、はつり箇所を選定した。具体的には、事前に電磁波レーダを車載した非破壊点検車で調査して損傷が疑われる個所、および舗装業者が床版全面を打音検査して浮きがある箇所を赤色でマーキングした後、公社監督員が現地状況を確認し、補修箇所を選定した。

舗装撤去工①(名古屋高速道路提供、以下同)


舗装撤去工②/チッパーによるはつり

点検状況①

点検状況②

 その上で対象箇所のコンクリート劣化部をカッターやチッパー、ブレーカーなどではつり、鉄筋の錆を落として防錆剤の塗布を行う。その後、はつり部の下地処理として、マイクロクラック補修用プライマーと接着剤(コニシE2000)を塗布し、接着剤の養生完了後、超速硬ポリプロピレン繊維補強モルタルを打設して断面修復した。続いて複合床版防水工、基層(密粒度As(13)改質Ⅲ型-W)40mm、表層(排水性舗装)40mmの舗設を行った。なお、今回工事では左右にある幅500mm(厚さは舗装厚と同じ80mm)の路肩コンクリートははつらず、ひび割れ注入による補修を実施し、端部に網状シート防水補強材と成形目地を設置して端部防水を行った。

床版のはつり状況

はつった後に接着樹脂を塗布

超速硬ポリプロピレン繊維補強モルタルを打設して断面修復

 RC床版の断面修復工(深さ50mm程度目安)は超速硬ポリプロピレン繊維補強モルタルを使用しているが、それに用いているひび割れ防止用の補強繊維は当初から継続してPP(ポリプロピレン、萩原工業製「バルチップ」)を使用している。


複合床版防水は2工法を採用

 デッキコート複合防水工法とドーロガード工法

 複合床版防水は、今回全体で約52,000㎡施工するが、そのうち約41,000㎡でデンカの「デッキコート複合防水工法」、約11,000㎡で菱晃の「ドーロガード工法」を使用している。いずれも、まず床版コンクリート上面及び路肩コンクリート端部までアクリル樹脂系の浸透材を塗布し、次いでその上にアスファルト加熱型塗膜系防水材を設置する工法で、浸透材はコンクリートのひび割れに浸透し補修する効果も有する。


複合床版防水の施工①

複合床版防水の施工②


複合床版防水工法の施工図


RC床版にも鋼床版と同様の表面除去工程

 ショットブラストを活用し、表面研掃

 RC床版においても防水工の前工程の舗装除去工では、鋼床版と同様にショットブラスト(投射密度100kg/㎡)を施工してさらに表面を研掃している。防水工についても通常無色の浸透材に顔料を混ぜて色付けすることで、施工管理しやすくなるようにしていた。


RC床版のショットブラスト

鋼床版舗装打替えは約43,000㎡

 IHを3台活用

 今回のリフレッシュ工事において鋼床版を採用している区間は、約43,000㎡に達している。

 今回、鋼床版の施工面積が多かったため、事前に舗装表面の変状や損傷発生の状況を確認した上で、基層グースアスファルトまで除去する必要のある個所を約4,800㎡に絞り込み、IH式舗装撤去工法により基層の撤去を実施した。同工法はIH式加熱(電磁誘導加熱)を利用し、低騒音で鋼床版を傷付けずに舗装を剥離する工法で、電磁誘導加熱により鋼床版と舗装の接着界面を60℃程度まで加熱することで舗装と鋼床版との縁を切り、除去しやすくするものであり、今回、3台のIH式加熱機械を投入して施工を行った。

IH式舗装撤去①

IH式舗装撤去②

 その後はショットブラスト(投射密度は300kg/㎡)で下地処理を行い、接着樹脂を塗布、グースアスファルトの基層、排水性舗装の表層に打ち替えた。その他の基層のグースアスファルトがそれほど傷んでいない箇所は、表層のみ切削し、打ち直している。表層には「ポリマー改質H型(13)」を採用した。

鋼床版のショットブラスト

グースアスファルト/舗装施工①

舗装施工②

 元請業者は環状線工区が、(株)NIPPO、大有建設(株)、前田道路(株)の3社、大高線工区が、中部土木(株)、世紀東急工業(株)の2社。
(井手迫瑞樹、2020年1月28日掲載)