HOME現場を巡る一覧NEXCO西日本 関西国際空港連絡橋の損傷した鋼桁をFC船で撤去

現場を巡る詳細

1000t強の鋼桁をFC船で撤去

NEXCO西日本 関西国際空港連絡橋の損傷した鋼桁をFC船で撤去

 西日本高速道路は12日、関西国際空港連絡橋のFC船を用いた桁撤去現場を公開した。

 タンカーが衝突し、損傷を受けた桁はA1~P1(90m、単純鋼床版箱桁、約1,040t(舗装や照明中も含む吊り上げ総重量))とP1~P2(98m、同、約1,120t(同))だが、P2橋脚近傍が北側に4mと最大のずれを起こしていることを鑑みて、1回目の今回は、ずれが少なく(P1は同1.5mのずれ)比較的撤去しやすいA1~P1間を施工した。使用したFC船は深田サルベージ建設の「武蔵」(3,700t吊)、台船はオーシャンシールⅡ(耐貨重量14,000t、長さ140m02)。施工は12時前に始まり、13時ぐらいまでに吊材の玉かけを行った後、13時過ぎから吊り上げを開始した。桁端部のクリアランスはジョイントを撤去したことでA1、P1どちらとも500mm程度余裕ができた。路面から15mほど吊り上げた後に、FC船を海側に後退させ、15時半ごろには、現場に浸入してきたオーシャンシールⅡに呼応して武蔵も動き、台船の直上まで桁を移動させた。30m弱吊降ろし、夕方には積み込みを完了。13日には海南市の工場(高田機工)に運ぶ予定だ。14日には、P1~P2の桁を同様に撤去し、堺市の工場に運ぶ予定だ。

施工前の武蔵/施工前の路面状況

斜めに曲がっている/桁がずれていることが分かる

玉かけ作業①

玉かけ作業②

玉かけ作業③

吊り上げ開始/少しずつ浮いてきた

桁全体が路面上に見えた

吊り上げ状況①

吊り上げ状況②

後退して、海側に桁を引き出していく

撤去後の空いた径間/オーシャンブルーⅡが見えてきた

オーシャンブルーⅡと武蔵が動き


桁を積み込んでいく


 撤去した桁は調査を行った上で「どこまで使えるか否かを判断し、設計を行う」(西日本高速道路)、その後、桁補修あるいは新桁を製作し、撤去時と同様にFC船で架設する方針だ。


 NEXCOは同橋の損傷にあたり、9月5日から2日間主桁損傷状況を調査、7~8日にFC船や台船が進入するための現場水深や海中障害物の調査を行った。次いで9月8~10日にかけて、特にずれが大きいP1~P2側の桁を仮受ベントで支えて(最大3.5m)橋桁を固定、9~11日には橋梁上の障害物やジョイントを撤去した。そして11日に橋桁を吊り上げるための金具を橋桁に設置したが、これは架設時の図面を参考にしながらほぼ同位置の舗装を撤去し、16本の金具を溶接し、撤去当日を迎えた。

 今後の架設時期は未定だが、「(早期の)復旧に向けて最大限努力していきたい」(同社)としている。

 桁撤去はIHIインフラシステム。下請は深田サルベージ建設、松和工業など。

(2018年9月13日掲載、文・写真:井手迫瑞樹)