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主桁撤去は中央径間と側径間で別工法を採用

東京都 中央防波堤の廃棄物運搬関連車両専用橋・中潮橋を撤去


 東京都は、東京湾の中央防波堤内側埋立地と同外側埋立処分場を結ぶ中潮橋の撤去工事を平成28年12月から実施した(工期は本年5月末まで)。主桁撤去は、中央径間では撤去用梁材による工法が採用され、側径間では台船併用の引き出し工法が採用された。2種類の工法によって行われた主桁撤去を中心に、撤去工事の現場をレポートする。


全体工程

 中潮橋は、平成8年度に供用された橋長250m、幅員24mの3径間連続鋼床版箱桁橋。同橋は中央防波堤外側埋立処分場へ廃棄物を運ぶための廃棄物運搬関連車両専用の橋梁だったが、現在整備中の東京港臨港道路(南北線)に接続する中防内5号線の橋梁が同橋に近接して新設されることから撤去が決定された。



中潮橋位置図と全景(東京都提供、以下同)


 平成29年2月に舗装撤去工に着手し、中央径間の張出床版と中央床版を撤去後、平成29年8月に中央径間の主桁撤去を行った。その後、片持桁撤去、側径間張出床版(西側)撤去、支承部以外の橋脚撤去、側径間張出床版(東側)撤去、側径間盛替、橋脚支承部撤去、側径間中央床版撤去を実施した。平成30年3月中旬から4月上旬に側径間の主桁撤去を行い、最後に橋台を撤去した。



撤去全体一般


中央径間の主桁40mは撤去用梁材で撤去

 主桁吊上げでは号令をかけながら上げ幅を確認

中央径間の主桁撤去

 中央径間の主桁撤去は撤去用梁材を用いて施工した。元請はエムテック・高橋組興業JVで、エム・テックでは「コンクリート橋梁の架設を数多く行っており、架設桁の扱いにも慣れている。撤去は架設の逆の工程とも言えるので、中央径間の主桁撤去では撤去用梁材での工法を採用した」という。



中央径間の主桁撤去概要


 撤去用梁材は、中央床版を撤去する前に中央部分約40mを設置し、中央床版撤去後に梁材を両側に延長して105m(幅1.6m)とした。梁材設置後、主桁の切断を行ったが、切断後橋脚側は支点が一箇所となり片持ちになるため、片持ち部分が自重により下がり、主桁に接触すると吊上げ作業に支障が出る。そこで、切断面が10cm程度の帯状になるようにガス溶断を行うととともに、断面は作業性を考慮し、垂直ではなく斜めにする工夫をした。

 切断は夏場の箱桁内の作業となり、桁内が非常に高温になった。そのため、ゲビンデを挿入する穴から送風して桁内を強制換気することで作業環境を保てるようにしたという。


(左)撤去用梁材の設置 (右)帯状および斜めに溶断された主桁


箱桁内での作業


 桁長40m、重量約120tの主桁吊上げは、梁材上に台車2台を設置し、1台車につきセンターホールジャッキ2基を設置して行った。ジャッキアップは3人体制の人力で行ったが、台車間が離れていたので、主桁に負荷をかけず水平を維持するためにジャッキアップ回数と上げ幅を、指示者となる作業員がハンドマイクで号令をかけて確認をしている。

 吊上げた主桁はチルホールを使用して中央床版があった位置まで横取りをした後、待機していた多軸台車とトレーラーに送り出し、吊上げ撤去が完了した。翌日には、台車とトレーラーに載せた状態で、側径間の橋面上でガス溶断により4分割をして、陸上のヤードに搬出している。



梁材上のセンターホールジャッキ2基で主桁の吊上げを行った


多軸台車とトレーラーに主桁を載せる


2本目の主桁撤去


中央径間主桁撤去後


 1本目の東側の主桁は、午前9時半に地切をし、翌1時頃に台車に預け終わっているが、2本目の西側の主桁はセンターホールジャッキの不具合を修正するなどして、午後6時には作業を完了している。