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設計、製作、溶接、架設全てに難易度が高い2連の鋼製アーチ橋

有明海沿岸道路筑後川橋 上部工の架設が進捗

ベント及び地組み架台での受点の平面形状も全て異なる

 地組み架台受点は木製のキャンバー材を製作

課題と克服

 課題の一つにアーチリブやスプリンギングの複雑な形状を如何に架設するかという点が挙げられる。

 橋梁の特徴の項でも記したとおりアーチリブの断面形状は、クラウン部の台形断面から補剛桁との隅角部で矩形断面となり、さらに、平行四辺形断面に分岐して、支点部では台形形状となる非常に複雑な構造である。ベント及び地組み架台での受点の平面形状も全て異なることとなるため、ベント受点は鋼製の、地組み架台受点は木製のキャンバー材を製作し、溶接開先が設計値とおりとなるようにした。

 その上で工場仮組立て時にエレクションピース及びダイヤフラム等の高力ボルト接合部にパイロットホールを設け、現地ではそのパイロットホールにドリフトピンを打ち込む事で工場仮組み状態を再現し、組み立て精度の向上を図った。一部分はブロックにしないとかからないスプリンギングがあるため、地上で溶接してから架けたが、基本的には1ブロック(最大で46t)ずつ架けて、仮組み状態にして、出来形精度を確認した上で、一つ一つ丁寧に全断面を溶接していくものだ。因みに1ブロック当たりの重量はアーチリブが最大で約20t、補剛桁が同約25tとなっている。


鋼床版のサブマージアーク溶接/スプリンギング鉛直材溶接


スプリンギングの溶接/補剛桁の下フランジ縦シーム溶接

 溶接は鋼床版、スプリンギング、アーチ以外に景観を考慮し補剛桁の下フランジの縦シームにも適用されている。


P6-P7径間は手延べ機送り出し工法

 補剛桁を架設した後にアーチリブをクレーンベント工法により施工

架設条件

 本橋の架設工法としては、「クレーンベント工法」「ケーブルエレクション工法」「台船工法」「送り出し工法」等、種々の架設工法の組み合わせを比較検討の結果、架橋場所の地域性・施工性・経済性などを考慮し、P4-P5径間及びP6-P8径間はクローラクレーン・ベント工法、P6-P7径間は手延べ機送り出し工法によりスプリンギング、補剛桁を架設した後にアーチリブをクレーンベント工法により施工する現在の施工法を採用した。


P7スプリンギング地組み


P7-P8補剛桁架設①、②


P6支承の取り付け/P6スプリンギングの架設


2018年3月19日の進捗状況(井手迫瑞樹撮影)


補剛桁もスレンダー/P5側からP8側を見る(井手迫瑞樹撮影)

 アーチ橋の場合通常はアーチ桁を架けた後に補剛桁を架けるが本橋の場合は、「基本的に先に補剛桁をすべて架けて、それから上部のアーチ施工」(同橋JV)になる、このため「完成系と架設系の応力状態が異なるため今回の架設工法に合わせて解体計算により、各架設状態における設計値を算出し、その設計値を基に形状管理を行う。」(同)


P6-P7の張り出し架設


 形状管理は橋梁全体をカバーできる箇所に形状計測用の架台を設置し、自動追尾形式の計測器にて自動計測を行いながら、桁架設を進めていく。設計値に対して違いがでた時にその原因と直すべきなのかを検討しながら進めていく方針だ。

 こうした厳しい架設条件の手順を各技術者・技能者に分かりやすく説明するため、CIMを活用した架設ステップ動画(前ページ参照)を作り、深く情報共有を図っている。


 人員は最盛期で溶接工、塗装工をふくめると技能者だけで100人近くになる。現場を管理するJVの技術者は10人弱で回していく予定だ。

 設計はオリエンタルコンサルタンツ。上部工の製作・架設はエム・エム ブリッジ宮地エンジニアリング川田工業JV。一次下請は植田建設工業(架設工事)、東京フラッグ(溶接工事)、松浦重機(重機工事)、深田サルベージ建設(海上工事)、ダンテック(非破壊検査工事)、ミツヤ(塗装工事)など。


現況進捗状況