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コンクリート舗装打ち直しは、VFRCを採用

茅野市 木舟大橋をコンクリート舗装を打ち直して床版補修

 茅野市は、同市内の一級河川宮川に架かる木舟大橋の床版補修を行った。同橋は昭和31年鋼道路橋設計示方書に拠って昭和38年8月に架けられた橋長28m、有効幅員4.04mの単純RCT桁(3主桁)橋。床版厚さは約110mmで、その上にコンクリート舗装を70mm程度かけていた橋梁だが、舗装の劣化が進んでおり、床版裏面には鉄筋露出なども生じていたことから今回、コンクリート舗装の打ち直し、ひび割れ注入、断面修復の施工など大幅な補修を施したものだ。(井手迫瑞樹)


木舟大橋補修一般図


 現場は茅野駅から車で15分ほどののどかな田園風景の中にある(左写真)近くに製材工場もあるが、それほど大型車は通らない。しかし近くに代替ルートとなる橋はなく、この付近に住む市民にとっては必要不可欠な橋である。記者はコンクリート舗装を剥ぎ、床版のひび割れ注入や上下面の断面修復を行った段階で現場を取材したが、写真で一目わかるように大きく損傷している。ひび割れ幅は最大で1.4mmに達しており、当初27m位の数量を見込んでいたひび割れ注入材が63mまで膨らんでしまった。また床版の損傷が激しかったことから、下面からは無収縮タイプのPCM「なおしタル」、上面には通常の無収縮モルタルで断面修復した。とりわけ一番損傷がひどいのは右岸下流側の側端部。「川風による寒暖差が関係しているのではないか」(カネトモ)と見ている。


切削前のコンクリート舗装上面/切削してみると大きく損傷していることがわかる


 上面からの補修およびコンクリート舗装は、まず切削機で上面のコンクリート舗装を剥ぎ取った後、床版表面にショットブラスト(150kg/m2)により研掃をかけて、損傷が著しい箇所を断面修復およびひび割れ注入によって補った。


ショットブラストの施工/下面はなおしタルで断面修復

(写真左)沓座付近のコンクリートも損傷しており断面修復した。上からの水が原因か

(写真右)橋脚に大きくひび割れが走っている


床版上面も広範囲に断面修復した

 その後、額縁状にエポキシ系の接着剤(ニッシンボンド)を塗布し、ビニロンを1㎥あたり6kg、膨張剤を同30kg混入した早強コンクリート(VFRC)を打設した。コンクリート打設に際しては、通常の締め固めフィニッシャでなく、人力で移動締め固めできる東京コンクリート技研の「レザーバックスクリード」という機械を用いて施工した。レザーバックスクリードは、移動用レールを敷くことなく、アンカーとリード線で正確に動かすことが可能で1分間に19,000サイクルものタンピングを行うことができ、内部の空隙を瞬時に締め固めることが可能。最大で20m幅まで打設可能で、骨組も鋼製であり剛性が強く、たわみなどをほとんど生じないため精度の高い施工ができる。今回の現場では左右対称に1.5%の勾配を付けて打設するという条件が課せられていたが、形状変化を生じることなく無事にコンクリート舗装を打設することができた。


ニッシンボンドを額縁状に塗布して、レザーバックスクリードでコンクリート舗装を打設

 打設後は、被膜養生材を散布し、円盤トローエルを使用して均した後、帚目で仕上げた。


円盤トローエルでの均し/被膜養生材の散布


コテ仕上げおよび帚目仕上げ


施工直後のコンクリート舗装表面


 設計は長野技研。元請はカネトモ、協力業者として南部建設、前田道路小池興業(断面修復工、ひび割れ注入)、フタミ(ショットブラスト)、東京コンクリート技研(床版打設)など。

 同市は、今後も所管するJR中央本線の跨線橋などで同種の床版補修工事を施工する予定だ。