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働き方改革の基本方針を10月中に策定予定

橋建協 東京地区の「橋梁技術発表会・講演会」を開催

 日本橋梁建設協会(会長=坂本眞・日本ファブテック取締役社長)は13日、東京・中央区の銀座ブロッサムホールで「平成29年度橋梁技術発表会・講演会」(東京地区)を開催し、会員および官公庁、コンサルタントなどの関係者が昨年より140名多い660名が参加した。

 開会の挨拶で坂本会長は協会を取り巻く環境として、①発注量、②安全管理、③働き方改革の3点をあげた。発注量については、「発注量の減少は会員各社の経営を圧迫するとともに、技術力の衰退につながる。鋼橋の採用に向けて、協会として事業計画の支援活動に力を入れて、20万tを超える発注量を長期的かつ安定的に確保していきたい」と述べ、安全管理では、「橋梁工事において、昨年10月からの1年間で墜落による重篤災害が4件発生し、2名の方が亡くなる非常事態になっている。会員各社には、工事着手前の計画の十分な検討や現場の状況にあわせた計画の見直しなどの取り組みが求められている。また、i-Bridgeの推進によりCIMやICTを活用した安全性の確保をはかり、事故、災害の撲滅を達成したい」とした。働き方改革では、「協会では10月中に働き方改革に向けた基本方針を策定する予定。現場が抱えるさまざまな課題を抽出し、より良い制度として、橋梁業界での新しい働き方を確立していきたい」と述べた。

 技術発表会では「道路橋示方書はこう変わる ~部分係数体系版の改定内容~」、「ここまで進んだ鋼床版の疲労対策 ~垂直補剛材上端部と架設用吊金具ももう大丈夫~」、「イズミット橋の工事報告 ~上下部一括デザインビルドによる長大吊橋の建設~」の3テーマの説明と報告が協会の各委員から行われた。また、千葉工業大学工学部の八馬智教授が「ドボクの見方と見られ方 ―橋梁デザインに現れる地域文化―」と題して特別講演を行った。

 伊藤學賞の発表と表彰式もあわせて行われ、森安宏氏(日本橋梁建設協会技術顧問)が伊藤學賞を受賞した。森安氏は、石川島播磨重工業に入社後、明石海峡大橋、港大橋、名港西大橋の設計に携わり、協会では新設から保全までの技術的なアドバイスを行う「橋の相談室」の初代室長として、その事業を軌道に乗せた。「世の中に存在するあらゆるものは朽ち果てる性質がある」と題した受賞講演では、長寿命化は日々の点検による損傷の早期発見と早期補修を行わなければ達成できないと述べた。技術功労賞は、清水忠幸氏(長大 海外事業本部海外事業部兼海外鉄道技術部)が受賞。



(左)伊藤學賞を受賞した森安宏氏 (右)技術功労賞を受賞した清水忠幸氏


 奨励賞は、細見直史(日本ファブテック 技術研究所構造技術グループ課長)、水口知樹(横河ブリッジ 設計本部東京設計第一部設計第一課主査)、オスマン・トゥンチュ・チェティンカヤ(IHIインフラシステム トルコプロジェクト部課長代理)、田中寛泰(川田工業 鋼構造事業部橋梁企画室係長)、吉嶺建史(日本車輌製造 輸機・インフラ本部技術部担当課長)の5氏が受賞し、オスマン氏は外国人として初めての受賞で、奨励賞5名受賞は過去最高となった。(大柴功治)