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バランスを考えつつ保全へシフト 海外市場へ積極展開

横河ブリッジ 髙田和彦社長インタビュー

株式会社横河ブリッジ
代表取締役社長

髙田 和彦

公開日:2019.12.01

海外事業 東南アジア中心に積極展開し、約20,800tを受注
 ローカルファブと提携 国外の技術力有する人材も確保

 ――海外事業の拡充について
 髙田 東南アジアを中心に積極的に拡充していきます。ジャカルタには現地法人を設立しているほか、ミャンマーでは現地に支店を設け、現地企業と提携し、技術供与を行い、実際の桁製作などをしてもらっています。最近のトピックとしては、バゴー橋(鋼斜張橋、ミャンマー、ODA案件、三井住友建設とのJV)で3工区のうち2工区を受注しました。鋼重は1工区あたり約9000tに達します。またバングラデシュではカルナ橋を鉄建建設、アブドゥル・モネム・リミテッド社とのJVで受注しました。同橋は橋長690mの鋼単純ニールセンローゼ(150 m)+PC-I桁(540m)で、鋼重は2,800tに達します。現在はベトナムの提携工場で桁製作が本格化しています。また、このほど竣工した橋梁としてはゼネコンの下で鋼橋工事に携わったパキスタンN70号線橋梁があります。非常に曲線がきつい橋梁でした。また、南スーダンでは鋼ランガー橋の製作・架設にも従事しています。



受注した海外橋(上)バングラデシュ・カルナ橋、(下)ミャンマー・バゴー橋(横河ブリッジ提供)

 ――両橋合わせて20,800tですか。すごいですね
 髙田  東南アジアは大きな橋梁が計画されており、これからも期待できます。ミャンマーには支店も設置しました。
 ――他社、例えばIHIやJFEなどは海外に橋梁工場を造っています。横河はどのような態勢で臨みますか
 髙田 海外事業について、橋梁製作工場を自前で設けずローカルファブと提携し、協力して受注・生産をしていこうと考えています。例えばカルナ橋はベトナムのリセムコ社の工場で桁製作して、現地に輸送して架設しています。
 本社の海外事業本部も人員を増強しつつあります。また、案件ごとに人材を選びプロジェクトチームを作って計画や架設に臨む方式で今後も海外事業を進めていきます。バゴー橋では専門のプロジェクト室を設置しています。
 ――御社も参画したストーンカッター橋の取材で感じたことがあります。海外で成功している会社は「現地化」を進めていることです。あるスーパーゼネコンはタイのエスタブリッシュメント層を入社させ、バンコクで事業を任せ、転じて本社の執行役員にも登用しています。このような成功例をどのように考えますか 
 髙田 >参考にはします。特に今後採用していく人材は、日本人だけでなく、海外の技術力を有する人材の確保も進めていきます。横河ブリッジホールディングス全体では、フィリピンにYTPというエンジニアリング子会社があり、橋梁の原寸や設計、システム建築の設計などを担っています
 ――最後に働き方改革について
 髙田  クリアしていかなくてはならない課題です。各種手当の拡充はすでに行っており、現場手当の見直しなど、さらなる拡充も視野に入れています。完全週休2日制の実施も具体的な目標を定めて着実に達成していきます。
 ――女性の雇用は
 髙田 当社は従来から女性を積極的に雇用していきたいと考えています。昨年度は技術職で3人を採用し、今年度も3人を採用しました。主には工場や設計分野ですが、昨年度は工場製作分野に1人配属し、今年度は大阪支社で現場を担う女性も出てきました。
また、今年は、設計本部 東京設計第一部 設計情報課長が、第6回女性技術者育成功労賞を受賞しました。
 ――架設現場においては人手の確保が重要です。賃金、休暇の両面から改善していかないと志望者は減る一方だと思います
 髙田 職員の産休や育休を取りやすくすることは必須です。
 架設工の歩掛の向上などを図っていきたいと考えています。
 ――最後に趣味や座右の銘について
 髙田  趣味はカープです。
 ――広島カープですか
 髙田  広島県出身ですので、この話題を話し始めたら止まりません(笑)。
 ――座右の銘は
 髙田 「和をもって貴しとなす」です。
 ――聖徳太子の制定したとされる十七条憲法の第一ですね。
 髙田 社長に就任してからは、自分だけではできない、と感じることが益々多くなっています。この言葉を噛みしめて、社員全体で協力しながら、社業の発展を図っていきます。
 ――ありがとうございました

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