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インタビュー詳細

長大橋、大深度地下、近畿圏久々のビッグプロジェクト

国土交通省近畿地方整備局浪速国道事務所 大阪湾岸西伸部と淀川左岸線延伸部の事業に着手 

国土交通省
近畿地方整備局
浪速国道事務所長
粟津 誠一 氏

 国土交通省近畿地方整備局浪速国道事務所は、国道163号清滝生駒道路、国道1号淀川左岸線延伸部、国道2号大阪湾岸道路西伸部の事業を進めている。特に大阪湾岸道路西伸部は、近畿圏久しぶりのビッグプロジェクトと言えるもので、航路を超える個所では、神戸港を彩る長大特殊橋の建設が期待されている。また、淀川左岸線延伸部では70mに達する大深度の地下トンネルを予定している。こうした注目事業を中心に粟津誠一所長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


昨年には第二阪和道路、鍋谷峠道路を供用

 淀川左岸線延伸部8.7kmが今年度事業化

 ――まず管内事業について

 粟津所長 国土交通省の各事務所は現場に近く、各県単位以下での改築事業と管理事業が一体になっているのが普通ですが、浪速国道事務所は広域的な改築事業を所管する事務所として昭和40年に創設されました。大阪都市圏が大阪府にとどまらず、南は和歌山、西は兵庫、東は京都、奈良と広がりを持っている都市圏であるためです。創設当初は万博関連道路の事業を担当していました。現在は、大きな事業として府県境を行き来する道路の改築事業を多く担当しています。最近完了した個所としては、平成29年4月1日に第二阪和(大阪と和歌山の境)、同日に大阪府からの権限代行事業として進めてきた(大阪・和歌山府県境)の鍋谷峠道路を供用しています。


施工時の鍋谷峠道路(トンネル部)


設計会社一覧


 現在は、国道163号清滝生駒道路、国道1号淀川左岸線延伸部、国道2号大阪湾岸道路西伸部の事業を進めています。

 ――淀川左岸線延伸部から詳しく教えてください

 粟津 もともとは大阪都市再生環状道路として位置づけられている道路です。大阪都市圏の高速道路ネットワークは、大阪市の都心部を中心に放射状に道路が構成されており、都心部(阪神高速環状線)を避ける道がないため、交通が集中し、日常的に渋滞しています。それを緩和するために大阪都市再生環状道路の整備に取り組んでいます。もう少し大きな環状ということで、既に開通済みの高速道路と事業中の高速道路計画で位置づけられています。具体的には、東側は近畿自動車道の一部を、西側は大阪湾岸道路が平成6年に六甲アイランドから関空までできているので、その一部を西側環状とし、南側は事業中の大和川線、北側が同じく事業中の淀川左岸線を充てるものです。


淀川左岸線全体図

 淀川左岸線はⅠ期、Ⅱ期、延伸部と事業化時期ごとに分けられています。Ⅰ期区間5.6kmは供用済みです。Ⅱ期は大阪市と阪神高速道路が事業中の4.4kmで、いわゆる新御堂筋という大阪の中心部から北に延びる国道423号までです。そこから東側が延伸部で門真市大字薭島~大阪市北区豊崎間8.7kmについて今年度事業化がなされました。全ての区間で都市化が進んでおり、導入空間がない状況であるため、ほとんどの区間が地下構造で計画がされています。門真JCTから花博記念公園付近までの約1kmは高架からトンネルにもぐる部分で、それ以外はすべてトンネルになります。


上空から見た淀川左岸線延伸部

 既にトンネルの西側で事業中の淀川左岸線Ⅱ期につながります。新御堂筋と接続予定の豊崎IC(仮称)は地上となります。大深度地下使用法に基づく大深度地下空間を使用する区間は、地下70m以上の深さになり、トンネルの東側に内環IC(仮称)、高架部に門真西IC(仮称)が設けられます。8.7kmのうちの約7.6kmが地下構造で、さらにそのうちの約3.7kmが大深度区間となります。


縦断面図

 ――ほかの現場では避難坑をつくったりしますが

 粟津 長大シールドトンネルですので、円形の断面のうちの路面下の空間を活用することを検討して行く予定です。


標準断面図

 ――大和川線ではシールドとシールドの間が非常に狭いところもありますが、そうした個所は延伸部にもありますか

 粟津 

 並列のシールド間の距離が近くなっています。大川付近は幅の制約から2階建てのシールドトンネルとなります。並列で来たものが上下に移行する形です。

 ――シールドトンネルの掘削方法は

 粟津 今後、具体的な施工方法を検討していきます

 ――地盤や水の問題はありますか

 粟津 周辺部は氾濫原ですので、地層も砂と泥の層でかなり複雑でないかと思われます。シールドトンネルの大深度地下使用深さは大規模建築物の支持地盤となる位置から10mの離隔距離を見込んで設定しますが、地層の状態を現地の地質調査により詳細に把握して深さを検討していきます。

 ――地層は

 粟津 砂と粘土の互層になります。大阪層群といわれる地層になっています。

 ――断層は

 粟津 詳細はこれから調査をして位置を特定し、対策を検討することになります。

 ――現状は

 粟津 阪神高速道路、西日本高速道路との合併施工で、約4,000億円の事業費を見込んでおり、現在地元の調整が整った箇所から、ボーリング調査に着手しているところです。

 ――設計は

 粟津 ボーリング調査結果を利用した詳細な設計は来年度以降の発注予定です。

 ――設計をコンサルではなく、ゼネコンなどに施工とあわせて発注することもありますが

 粟津 まだその段階ではないと考えています。ゼネコンのノウハウも必要ですが、まずは基礎的な設計を進めます。

 ――国土交通省と阪神高速の分担は

 粟津 事業化時の事業区分として、シールドトンネル部の途中まで阪神高速道路が100%分担することとなっていますが、具体的なことはこれから調整していきます。