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2018年新年インタビュー② 平成29年度は9橋で床版取替工事を実施

7橋の床版取替工事と盛土のり面補強工事を含めて異業種JVで一括契約

西日本高速道路株式会社
中国支社
副支社長

京極 靖司

公開日:2018.01.01

1,582橋、175トンネル304チューブを管理
 供用後20年を経過する道路が全体の約90%


路線別延長と構造物比率

 ――保全について、管内橋梁の内訳を教えてください
 京極 管理橋梁は1,582橋です。そのうち鋼橋が513橋で32.4%、PC橋が532橋で33.6%、RC橋が494橋で31.2%、PRC橋が43橋で2.7%となっています。延長別では50m以上が1,186橋で75%、50m未満が396橋で25%となります。供用年次では、中国道の611橋が30年以上で、山陽道の宇部下関線を除く533橋が20年以上などとなっています。


橋種別と延長別橋梁数

 ――トンネルの内訳は
 京極 175トンネル304チューブを管理していて、全延長では277.3kmです。工法別では、NATMが221チューブで72.7%(延長208.1km)、在来工法などが83チューブで27.3%(69.2km)となります。供用年次では、中国道の76チューブ42トンネルが30年以上で、山陽道の宇部下関線を除く148チューブ74トンネルが20年以上となっています。


工法別チューブ数と延長

 ――保全に対する基本的な方針は
 京極 メンテナンスのサイクルを回すという観点から、NEXCO西日本では「保全事業システム5カ年計画」を策定しましたが、平成29年度はその5年目になります。点検結果をもとに補修計画をつくり、補修を進め、継続的にフォローアップをしていきます。管内では、供用後30年を経過する道路の占める割合が全体の約45%で、20年以上が約90%になりますので、老朽化対策に取り組んでいます。

中国道の橋梁の変状数は山陽道の約3倍
 老朽化対策が課題に

 ――管内各路線の橋梁とトンネルの劣化状況を教えてください
 京極 中国道の供用年数は山陽道よりも約10~20年長く、橋梁の単位延長(m)あたりの変状数を比較すると、中国道は山陽道の約3倍となっています。供用後30年以上経過している中国道と広島自動車道の広島JCT~広島北JCT間では、先のとおり床版取替工事が必要な橋梁があります。
 その他、浜田道と米子道が供用から約30年経過していて、山陽道より降雪量が多く、凍結防止剤散布量も多いので、中国道の次に橋梁の劣化を懸念しているところです。浜田道と米子道は全国的にかなり古い暫定2車線区間ですので、老朽化対策は喫緊の課題となっています。
 トンネルについては、その約4割で覆工や目地部分のうき、はく離の損傷が発生していて、はく落防止対策や側壁部の断面修復を計画的に進めています。また、その他の変状としては、盤ぶくれが発生している中国道の冠山トンネル(上り線、延長2,140m)で、管内のトンネルで初めての大規模修繕としてインバート設置工事(延長約0.1km)を行います。


冠山トンネル(上り線)円形水路変状状況

 ――橋梁の具体的な損傷傾向は
 京極 凍結防止剤散布による塩害が主なもので、鋼橋のRC床版や伸縮装置からの漏水による桁端部の損傷が多くなっています。凍結防止剤を最も散布しているのが米子道で年間59.1t/kmになり、浜田道、松江道が約40t/km、中国道が約26t/kmです。


路線別凍結防止剤の使用量

上布原橋 桁端部補修 (左)施工前(右)施工後

 補修は床版の損傷程度によって、最大のものは大規模更新事業として取替えを行いますし、局部的なものは部分的な補修を以前から実施しています。それよりも軽微なものであれば、はく落対策や断面修復などを行っています。


横坂高架橋 床版損傷状況と断面修復

 鋼橋の桁端部補修では、当て板、アルミニウム・マグネシウム合金溶射を計画的に行っています。なお、アルミニウム・マグネシウム合金溶射については、グループ会社の富士技建の技術により、現場での施工が可能となっています。


(左)上布原橋 アルミニウム・マグネシウム合金溶射工
(右)同 二次封孔処理工

 ――アルカリ骨材反応についてはいかがでしょうか
 京極 反応性骨材が使用された橋梁は、平成15年度の調査結果では24橋ありますが、現在は経過観察を行っているところです。ひび割れが発生している箇所はありますが、進行は見られず、すぐに対策を必要とする変状は確認されていません。
 ――経年劣化や疲労などによる上部工の補修は
 京極 管内では疲労による損傷はありません。最近の点検で分かってきたことですが、PCの合成桁で1次床版部と2次床版部の境目に水が入り、PCの損傷が懸念されるところが出ています。管内には合成桁が多くあり、応急的な補修はもちろん行っていますが、大きな補修が必要になったときにどのような施工をするのか考えなければなりません。まずは予防保全の観点から防水工を速やかに実施する必要があります。

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