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―上長房橋床版取替工事―

車線規制による床版取替工事の実施について

公開日:2014.10.16

5. 安全対策

床版取替えをおこなう区間は、既設床版撤去により開口部となるため、万が一、一般車両がこの部分に進入することが無いように、コンクリート基礎付仮設防護柵(衝突荷重100kN対応)および目隠しネットを約47mに渡り設置した。また、仮設防護柵の手前にクッションドラムおよび進入車両強制停止装置を設置するとともに、内照式ラバーコーンを橋梁区間および橋梁の前後100mに渡り設置し、一般車両への注意喚起を行った。

6.分割施工による効果の検証

 分割施工は、通行止めによる一括施工に比べ、施工日数が2日増加したが、車線規制により交通を確保しながら施工できたことは、社会的にも大きな効果を得られたと考えている。
具体な効果を下記に示す。
 ①17,100台/日×8日間≒137千台の交通を確保した社会的効果大。
 ②仮に、上り線の相模湖ICで通行止め(上り線相模湖~八王子)を行い一括施工を実施した場合、少なく見積もっても約27Kmの渋滞が6日間続くこととなり、これを削減したことによる社会的効果大。
 項 目   従来施工
 (全断面による一括施工:通行止) 今回施工
 (半断面毎の分割施工:車線規制)
 工  期 6日間 8日間(追越4日、走行4日)
 渋滞延長 27km 13km

7.今後の展開

 本工事では、床版切断開始から現場打ち床版コンクリート打設、養生完了まで、昼夜連続規制による作業で1次施工に35時間、2次施工に37時間で施工しており、舗装の切削・舗設、付属物の嵩上げなど、一車線当り3日弱でPCaPC床版に取替えた範囲が20m程度である。
 今後、車線規制による施工で、限られた時間内における更なる施工延長の拡大に向けては、現地条件(橋梁幅員、高架下の用地状況等)に合わせた設計と施工計画の検討に加え、PCaPC床版の幅(橋軸方向)の拡大(図-13)や設置時の冶具の改良、接続方法の改良・開発などが考えられる。

 また、PCaPC床版の架設にあたっては、上下線が近接し片車線(一般に走行車線)側しかクレーン架設ができないなどの施工条件をクリアするため、レール敷設による縦移動併用のジャッキダウン架設など、架設方法についても今後多様な方式の展開が見込まれる。

8.まとめ

 本工事は、重交通区間のなかで車線規制により交通を確保しながらの床版取替工事であることから、徹底した安全対策が求められた。また、集中工事期間内に完了させるという厳しい時間的な制約に対し、綿密な施工手順や工程管理が重要であった。
 これらのリスクに対しては、発注者、受注者において、設計、施工計画について十数回にわたり検討協議を行った。施工にあたっては、下請負人を交え日々の施工手順とタイムスケジュールについて、詳細な打合せと確認を行い、スケジュール管理と事故防止を念頭に現場管理を実施した。これにより様々な課題を克服し、工程の大きな遅れやトラブルもなく、無事に完了することができた。
 また、車線規制により交通を確保しながら施工できたことは、社会的にも大きな効果を得られたと考えている。

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