HOME現場を巡る一覧片品川橋上部工の耐震補強 1500㌧ジャッキで支承交換

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東日本高速道路 鋼3径間連続トラス橋×3連の長大橋

片品川橋上部工の耐震補強 1500㌧ジャッキで支承交換

施工(A、C橋)

 まず、RC巻立てでジャッキアップ補強する箇所の手順は、①斜材、垂直材を2面ないし4面の当て板補強を行う。この際、添接は母材が箱断面であるため、全て高力ワンサイドボルトで添接している(B橋も入れて合計約69,000本)。②機能分離沓の一つである水平支承を設置するための台座コンクリートを打設し、水平支承をその上に設置する。③厚さ2,250から4,200㍉で高さ5,700㍉、幅17,610㍉のRC巻立てコンクリートを打設。④1,000~1,500㌧ジャッキを1支承に付き4つ(1支承線に付き8つ)設置してジャッキアップし、⑤既設支承を撤去、機能分離沓(鉛直支承)を設置し、⑥ジャッキダウンして完成、となる。


A、C橋の補強手順例(P2)


(左)高力ワンサイドボルトの施工/(右)当て板補強

 同様にガセットプレートでジャッキアップ補強する箇所の手順は、①既存ガセットプレートに重ね合わせて拡大する形でジャッキアップ補強材を施工するが、その際、既存のボルトなどが邪魔をし、そのままでは補強材を適切に添接できない個所がある。「そのためπ型断面のバイパス材を使用して既存のボルトを跨ぐ形で添接」(日立造船)した。②次いでジャッキアップして、③既設支承を撤去して鉛直支承を設置した後、ジャッキを撤去、④台座コンクリートを打設して水平支承を設置し、⑤最後に巻立てコンクリートを打設して完成、となる。鉛直支承と水平支承の設置順がRC巻立て補強と逆になっているのが特徴と言える。


施工(B橋)

 部材の補強は大きく3つに分かれる。①下横支材の当板補強+下横構のブレーキダンパーへの取替+下段下横構取替、②鉛直材の当板補強+支点上の下段対傾構の当板補強+支点上の中横支材の当板補強+対傾構のブレーキダンパーへの取替、③中横構のブレーキダンパーへの取替+対傾構のブレーキダンパーへの取替だ。 

 部材の取替えは構造を考慮して、下横構、次いで鉛直材および対傾構、中横構という順に施工していく。基本的に取替え後の新材は既設材に比べて部材厚を大きくする。

 手順は①~③まで狭隘部を塗替え塗装した後、①格点部を当て板補強して既設部材をガス切断し先端にブレーキダンパーが付いた新材に取替え、下段の下横構を部材ごと取替えた(H型の断面形状の既設部材を箱型の断面を有する新設部材に取替え)。②は狭隘部を塗装した後、格点部を当板補強し、既設の下横構を切断・撤去してブレーキダンパー付きの新材に取替える。③は塗装後、既設の中段横構を切断・撤去し、ブレーキダンパーに取替え、上段の対傾構も同様にブレーキダンパー付きの新材に取替える。


P6 上部工補強手順①


P6 上部工補強手順②

 「構造上一番注意しなくてはいけないのが、格点部」(同)、トラス構造のため上下左右から全部で6つほどの部材が集中する。「設計図面上では左右対称のように描かれている箇所もあるが、厳密に測量してみるとそうではなく、該当個所ごとにチェックおよび部材の設計、製作、施工に気を使わなくてはいけない」(同)としている。また、格点部はジャッキアップ補強時のガセット同様に当板補強が必要であるが、ここでも既設のボルトが当板補強を施工する際の添接の障害になるため、バイパス材を用いた上で高力ワンサイドボルトにより添接している・

 現場でも取替、当板などどの部材がどの補強方法で施工していくかを間違わないようにゼッケン状の巨大な目印を貼るなどしてケアレスミスを起こさないよう、万全の注意を払っていた。


(左)巨大な目印「当」/(右)斜材の施工

 現在はA橋、C橋の補強は完了し、B橋の補修補強が最盛期を迎えている。基本詳細設計はオリエンタルコンサルタンツ 、詳細設計および上部工耐震補強の製作・施工は日立造船。一次下請はトーヨーテクニカ、足場は米山工業など。