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河床堆積物や岩盤層(岩盤区分B型以下)に直接鋼管矢板を打ち込むことが可能

横山基礎工事「マイクロジョイントパイル(MJP)工法」の建設技術審査証明を取得

公開日:2019.12.11

 横山基礎工事は、このほど災害復旧や河川内工事などの急速性が求められる締切施工の現場で用いられる「マイクロジョイントパイル(MJP)工法」の建設技術審査証明を取得(建設機械施工技術第1901号)した。同工法の適用対象は、土留壁、仮締切壁、河川・港湾の護岸壁、ダムのリニューアル工事、機能追加工事の各種壁体、渡河橋梁や海洋橋梁など、各種河川、海洋構造物などの洗掘対策構造、産業廃棄物処分場など遮断対策を必要とする遮水壁など。一般土砂を含む河床堆積物や岩盤層(岩盤区分B型以下)に直接鋼管矢板を打ち込むことが可能だ。

 審査証明(右写真)結果の内容は、以下の通り。
 ①一般的な鋼管矢板打込みの二工程施工(継手孔先行掘削と鋼管矢板打込み)を一工程施工(鋼管矢板打込み)にすることにより工程短縮(工程数低減と日当り施工量増加)できることが認められた。
 ②製造工場においてマイクロジョイントの雌部に膨潤止水材を注入することにより、施工現場における止水注入作業を省略できることが認められた。また、仮締切に必要な止水性が確保できることが認められた。
 ③打込み後のマイクロジョイントは固着されていないため、マイクロジョイントパイルの引抜きが可能で、機能確認の上再利用可能な構造であることが認められた。


再利用可能

 同工法専用のマイクロジョイント式の鋼管矢板は、鋼管径φ457.2から1200mmまで対応している。従来の鋼管矢板の約4分の1のショートピッチで打設することにより、継手部の先行削孔が不要となり、1工程で岩盤掘削と鋼管矢板の建て込みが施工可能になる。
 継手孔の先行掘削が不要であり、仮締切に必要な止水性を確保できる。また、機能を確認した上で、鋼管矢板の再利用も可能だ。
 従来のP-P型継手断面の大きさが247.8mmだったのに比べて、同工法は最大でも77.2mmと大幅に縮小させたことで、拡径式ダウンザホールハンマを使用することにより、継手孔の先行掘削が不要となり、大幅な工期短縮を可能とした。更に、専用の製造工場でマイクロジョイントの雌部に膨潤止水材を注入することにより、施工現場における止水注入作業を省略できる。
 リサイクル性にも優れている。検収後異常のないことを確認して再利用する工法専用の鋼管矢板による提案は、コスト縮減が期待できる。
 既に高知県発注の国道橋や徳島県発注の広域農道の橋梁等20に及ぶ現場で実績を有している。同社では建設技術審査証明の登録を完了したことを機に積極的に採用を働きかけていく方針だ。



徳島県の広域農道での施工状況

(2019年12月11日掲載)

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