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N式貫入試験とともに前回の課題を踏まえて実施

国土交通省東北地方整備局福島河川国道 (仮称)桑折高架橋で2回目の高耐久RC床版打込みのための試験施工を開催

 国土交通省東北地方整備局福島河川国道事務所は8日、建設中の(仮称)桑折高架橋(橋長1,218m)で高耐久RC床版を打込みするための2回目の試験施工を行った(前回は3月1日実施)。今回の試験施工は、桑折高架橋半五郎地区床版工工事の元請である佐藤建材工業が担当し、前回に課題となった事項の対策を含めた実際の施工状況を産学官の約25人が見学した。



試験施工概要と実施スケジュール


 桑折高架橋で採用する高耐久RC床版とは、凍結防止剤散布区間で床版に起きる複合劣化(塩害、凍害、ASR)と疲労の損傷要因に対して多重防護対策を実施し、耐久性および耐疲労性を確保するものである。具体的には、コンクリートの水セメント比を45%程度として緻密性を向上させ、高炉スラグ(B種)を混和することで遮塩性を高め、かつASRの抑制を図り、加えて空気量の目標値を5%とすることで凍害に対応、またひび割れ抑制のために膨張材を入れている。

 試験施工は前回と同じく6.3m×5.4m幅の配筋・型枠済みの模擬床板を使用した。前回の試験施工では、N式貫入試験の供試体と試験施工での貫入量にバラツキが発生したため、今回は500mm×500mm×220mm(同橋の標準RC床版厚)と500mm×500mm×370mm(同橋の桁上RC床版厚)の供試体を作製し試験を行った。

 また前回、コンクリートのスランプ、空気量にバラツキがあったことを踏まえて、アジテータ・トラック3台すべての受入時とポンプ吐き出し時の試験を実施したが、今回はバラツキが見られなかった。



打設前の模擬床版/供試体を作製してN式貫入試験を行った


コンクリート性状試験(スランプや空気量などを確認した)


 コンクリートの打込みは四隅のうち、最も勾配の低い箇所から順に行った。打込み後は仕上げバイブレーターで締め固めた。仕上げバイブ時での前回との相違点は3点だ。

 1点目は、φ50mmのバイブではパワーが大きいとの意見が前回出たことから、模擬床版の半分をφ40mmで施工したこと。これについては試験施工後の施工者と産官学の見学者による意見交換会で、φ40mmのほうが振動によるコンクリートの流動が少ないという意見が出されていた。

 次に、前回コンクリートの低勾配への流れ込みにより本締固め時間を8秒から6秒、5秒と変化させたが、締固めを十分に行うために8秒厳守で統一したこと。

 3点目は、3,150mm×500mmの木枠(9桝)の間隔定規でバイブ挿入位置を管理したことだった(前回は紐につけた目安で50cmピッチを管理)。意見交換会では、木枠がコンクリートの流れ込みを防いだ可能性の指摘に加え、木枠では移動に時間がかかる、作業者を増やさなければならないといった意見が出されていた。



最も勾配の低い箇所から打込みを行った


木枠の間隔定規を用いてバイブを挿入(左がφ50mm、右がφ40mm)

 前回の試験施工では、流動により最も低い隅の床版高が30mm高くなり、最も高い箇所が40mm低くなったが、今回は敷き均し用レーキで打込み中および打込み直後からコンクリートをかき揚げる(勾配をとる)対策を行ったため、流動したコンクリートを元の高さに戻すことができた。ただ、前回と比べて気温が低かったにもかかわらず、コンクリートの凝結が早かったとの指摘が意見交換会であった。



レーキでコンクリートをかき揚げていった


 また、前回は4.9mのブレードを装着したエンジン式タンパーを用いたが、大きすぎることと勾配のある現場では扱いづらく施工に適さないことが判明したことから、今回は使用していない。



今回はレーキを使用した


 左官仕上げの開始タイミングは、左官工の判断を基準に行っている。前回はN式貫入試験の貫入量を目安にしたが、試験目的が違うと判断したためだ。結果的には、左官工の経験による判断とN式貫入試験の目安(40mm)は一致した。最後は被膜養生剤の散布、トロウェルや金ゴテで仕上げた。コン天棒は1.8m間隔で設置し、流動したコンクリートを直し仕上げ高さ調整が終了する段階まで残していた。



模擬床版でのN式貫入試験/コン天棒は仕上げの高さ調整が終了するまで残していた


被膜養生剤散布後、トロウェルと金ゴテで仕上げた


打設完了


 意見交換会では、コンクリート性状試験の時間ロスをできるだけなくすこと、生コンの特徴としてブリーディング量が極めて少ないということを前提として本施工を考えること、荒仕上げから本締固めまでの時間を極力短くする作業手順とすること、などの意見が出された。4月上旬からは桑折高架橋東向田地区床版工工事(元請は小野工業所)の現場で高耐久RC床版の打込みが開始される。



試験施工後の意見交換会半五郎地区の主桁上から。急勾配がわかる


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(2019年3月13日掲載 大柴功治)