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SCBR工法を採用して架け替え

西日本高速道路四国支社 崩落した立川橋は来年夏休みまでの復旧目指す

 西日本高速道路四国支社は、2018年7月豪雨で大規模な土砂崩落により落橋した高知自動車道(上り線)立川橋(高知県大豊町、立川トンネル南坑口付近)の架け替えを進めている。7月3日からの総雨量は7日までの五日間で1,336mm(笹ヶ峰南観測局)に達し、7月7日未明には、実に同橋より約220mの高さから土砂崩落を生じさせた。崩落した土砂量は4万㎡を超える規模に達した。これが橋長64mのPRC連続3主版桁の同橋に上から載荷され、4~5ブロックに割り折って、さらに横から断続的に供給された土砂が桁を立川川側に回転させながら、約80m直下の同川まで押し流したと考えられる。同支社は来年夏休み前までの再供用を目指し工事を進めている。同橋の現状を取材した。(井手迫瑞樹)

被災状況概要(NEXCO西日本四国支社提供)

被災前と被災後の対比(NEXCO西日本四国支社提供)


 直下の林道から見上げると非常に高く、崩落の上端が見えない。崩落した山腹の上端から立川川までは約300mの高さがある。流された桁はその河床に依然としてある。桁が落ちている箇所には大豊町道の橋があったが、今回の災害でこちらも落橋した。当初、立川橋は、単純に上部工が土砂で押し流されて落橋したのだと考えられていたが、調査の結果、前述のように桁がスパン途中で折れていることを確認、上からの土砂が橋桁の上に乗り、桁がその重さでA1~P1間が2つに、P1~A2間が2~3つに折れて、それを横からの土砂が押し流したと推定した。桁端部が僅かに浮くような挙動を伴いながら川側に90°ほど回転(伸縮装置箇所の破断面の損傷状況と下部工の川側の角欠けがそれを推測させる)し、下り線に架かる千本川橋のP4~P5間をすり抜ける形で立川川まで落ちた。

桁は千本川橋のP4~P5間をすり抜ける形で立川川まで落ちた(井手迫瑞樹撮影、以下同)


セクシーピア工法が使われていた/脆弱な土砂や流木を撤去していた

 現在の復旧進捗だが、同時に一部崩落した大豊町道中央千本線を工事用道路として整備しつつ、脆弱な土砂や流木を除去している。足場には高知丸高のセクシーピア工法を採用しているようだ。脆弱部の土砂除去は約2万㎥に達する。本来は高知県の治山事業であるが、NEXCO西日本が代行する形で施工を進めており、土砂や倒木の除去後は、斜面をフリーフレームや吹付などで補修する方針。

下部工は角欠け以外目立った損傷はなかった

 同時に崩落土砂の仮設防護工を整備して安全に留意しつつ、橋桁の架設準備も進めている。支承も下承が橋脚と一緒に損傷しており交換する必要がある。但し、下部工は調査の結果、角欠け部以外に目立った損傷がないことから、損傷部のみWJで斫り、鉄筋防錆、断面修復を行った上でそのまま用いる。本来は流された橋と同形式に復旧するものであるが、早期の復旧を考慮して福崎新高架橋桁で採用したSCBR工法を本現場でも用いる方針。具体的には各橋脚、橋台支点上に横桁を設けてその上に13本の主桁を配置していく。ほとんどがプレキャスト施工できるため、気象等の影響を受け難く、工期は短くて済み、なおかつ支点上の支承も各2か所ずつの配置で済む。桁の架設は門型クレーンを用いた送り出しで行う。現在は桁製作中であり、順次桁の架設を行っていく予定だ。

 元請は鹿島建設。設計はNEXCO西日本コンサルタンツ。
(2018年12月11日掲載)