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現場を巡る詳細

防食にステンレスライニング Al-Mg溶射+重防食塗装を採用

首都高速 東品川桟橋・鮫洲埋立部更新事業 更新上り線の下部工が進捗

 首都高速道路が進めている高速1号羽田線東品川桟橋・鮫洲埋立部更新事業の施工現場を取材した。現在は既設上り線の撤去と更新上り線の下部工を建設中で、東品川桟橋部では新設する橋脚26基のうち、約4分の1が橋脚架設中、2基が溶接作業中であった。橋脚は全て鋼製で、運河部に架設し、柱部は全て全断面溶接しているほか、防食面では海中部および干満帯はステンレスライニング(1.2mm厚)を施工、それより上の海上大気部についてはAl-Mg溶射+重防食塗装を採用している。注目の現場を歩いた。(井手迫瑞樹)


撤去・架設

 いつもながら、この現場のヤードは狭い。幅15m~25mぐらいだろうか。近接している海側にはモノレールや首都高下り線があり、同じく陸側には供用を開始した上り線う回路が走っている。近くにはマンションやホテルもあり、施工時の安全、騒音や振動には格別の配慮が必要だ。

狭いヤードの中で施工している(井手迫瑞樹撮影)

 既設構造物の撤去は、コアボーリング+ワイヤーソーで切断し、トレーラーに積める程度の大きさに切断し、撤去している。また、既設PHC杭について地上部はチッパーなどで斫りとる。コアボーリング+ワイヤーソーで撤去するのは、騒音を極力抑えるためだ。

 基礎は橋台部が場所打ち杭(深さ20m程度)、橋脚部は鋼管矢板井筒基礎を採用している。橋台部のみRC構造で、橋台部の高さは5~6m程度、幅員は下り線と合わせて18m程度になる見込み(現状は上り線部のみの半分を建設している)。


橋台部構造一般図/橋脚部構造一般図(首都高速道路提供)

 橋脚部は26基すべて鋼製。基礎との剛結は鋼製アンカーフレームを採用しており、アンカーを介して鋼製橋脚を巨大なボルトで締め、周囲をRCで覆い剛結する。次いで橋脚ブロックの架設を行うが、安全性・施工性を考慮して、施工前に足場と溶接や溶射および塗装の風防設備を組み立てておき、鋼製ブロックをその中につり下ろす手法を採用している。柱部は、(各橋脚のサイズに応じて)2~5mの高さのものを上から吊り下ろし、仮添接した後、全断面溶接する。また、梁部の両側にベントを設置して支え、横梁部はボルトにより添接する。現在は単柱形式のように見えるが、上下線とも製作・架設が終了した状況では、鋼製門型ラーメン橋脚となる。そのため「下り線、上部工と剛結構造になることから製作・架設精度を非常に気にしながら施工している」ということだ。


橋台部下部工の施工/橋脚部の鋼製アンカーフレーム(井手迫瑞樹撮影)

橋脚部基礎のコンクリート打設/打設後の状況
(井手迫瑞樹撮影)

実際に剛結された基礎と橋脚
(井手迫瑞樹撮影)/橋脚の架設状況(首都高速道路提供)


架設状況写真
(首都高速道路提供)

防食

 架設地は運河上にある。そのため、防食は非常に高いグレードを採用している。干満により乾湿が繰り返され厳しい環境下に置かれる柱基部付近に関しては、添接を排して全断面溶接を採用しており、さらに工場製作時に1.2mm厚のステンレスライニングを表面に溶接した。その他の部分については、Al-Mg溶射を施した後に下塗りを3~4層、中塗(1層)、上塗り(2層、フッ素)を施工する予定だ。塗料供給は日本ペイント。

全断面溶接を行っている(首都高速道路提供)

 
防食概要図
(首都高速道路提供)

 上り線下部工の施工は、架設を今年中に終え、順次、上部工に着手する予定だ。