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新設構造物の建設時の軽微なひび割れやかぶり不足などの初期欠陥個所に対する補修用途

JR西日本 3種類のけい酸塩系含浸材を暫定認定

公開日:2017.09.14

 JR西日本はRCラーメン高架橋などの新設構造物の建設時の軽微なひび割れやかぶり不足などの初期欠陥個所に対する補修を対象にけい酸塩系表面含浸材の適用を想定し、平成27年3月から5種類の同系含浸材について和深(和歌山県東牟婁郡串本町)で暴露試験を行ってきたが、このほど1年後の暴露試験結果をまとめ、「CS-21」(アストン)、「インナープロテクト」(エイムス)、「ポルトグラス」(富士化学)の3種類の同系含浸材が規格値を暫定的に満足したと認定し、同社のコンクリート構造物補修の手引き[第6版]に掲載した。
 同社のけい酸塩系表面含浸材に対する1年暴露後における要求性能は以下の5点。
 ①一般部において中性化深さを2mm未満に抑制する(JSCE-K 572 6.8に基づき供試体を作成し、JIS A 1152により中性化試験)。②ひび割れ部近傍部の中性化深さを2mm未満に抑制(JSCE-K 572 6.11に基づき供試体を作成し、JIS A 1152により中性化試験)。③ひびわれを発生させたブランク供試体より透水量を小さく抑えられる(JSCE-K 572 6.11に基づき試験)。④ブランク供試体より透水量、吸水量を小さく抑えられる(JSCE-K 572 6.6,6.7に基づき試験)、⑤塩化物イオン浸透深さを10mm以下またはコンクリート表面から10~20mm間の塩化物イオン量が0であり、いずれにおいてもブランク供試体より値を小さく抑えられる(JSCE-K 572 6.9に基づき試験)。
 けい酸塩系表面含浸材の暴露試験は、今後も引き続き行っていく。


供試体状況写真

 なお、JR西日本では、同時に既設構造物の補修を目的としてシラン系含浸材の暴露試験も行っている。シラン系は主に既設コンクリートの水分の侵入を抑止するために塗布することを想定しており、要求性能の一例としては透水量が90%以上抑制できることを目標としている。なお、山陽新幹線西明石~姫路間の高架下においても供試体を暴露して、材料の性能を確認している。水分の抑制効果についても継続して確認していく。

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