道路構造物ジャーナルNET

『山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って』

⑫(最終回) 維持管理を支える人材育成と技術継承連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 山陽新幹線コンクリート構造物の維持管理を支えているのは、グループ会社を含む数多くの人材である。これまでの【連載】では、個々の技術的なテーマごとに山陽新幹線コンクリート構造物の維持管理に対する考え方や取り組み内容について述べてきたが、いずれのテーマの課題解決や措置の着実な実施および効果の確認においても、人材の存在が欠かせない。それぞれの技術テーマを縦糸とすれば、課題解決や措置の…

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⑪予想もしなかった事故と考えさせられた事故連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 これまでの【連載】では10回にわたって、山陽新幹線コンクリート構造物の維持管理について、基本的な考え方、劣化事象への対応や補修品質の向上に係るハード・ソフト対策、技術開発など、様々な取り組みについて述べてきました。【連載】第11回では、少し趣を変えて私自身が、予想もしなかった事故、考えさせられた事故について述べることにします。

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⑩PC桁の予防維持管理と外ケーブル張力モニタリング方式の開発連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 山陽新幹線においては、約1,200連のプレストレストコンクリート(以下、PCという)桁が供用されている。PC桁は、コンクリートやグラウトが適切に設計施工されている場合には極めて耐久的な構造形式であるが、グラウトが適切に設計施工されていない場合には、グラウトの充填不足に起因するひび割れや漏水の発生、PC鋼材の腐食やPC鋼材の破断に伴う急激な耐荷力の低下、横締めPC鋼棒の腐食や破断突出、あと埋め…

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⑨PC桁の横締め鋼棒の突出防止対策連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 山陽新幹線の建設においては、東海道新幹線開業後の名古屋地区で鉄道沿線の騒音振動が社会問題化していたことを受けて、中長スパンの橋梁形式は、鋼橋からプレストレストコンクリート(以下、PCという)桁に変更された。一般的にPC桁は、コンクリートの弱点であるひび割れの発生を防止でき耐久性に優れている、部材断面を小さくすることができる、定期的な塗替え塗装が必要でなく維持管理で優れている、騒音…

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⑧アルカリ骨材反応による鉄筋破断連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 山陽新幹線コンクリート構造物の早期劣化が顕在化した1999年当時において、関西地区や北陸地区の道路構造物では、橋脚やフーチングの鉄筋曲げ加工部において、アルカリ骨材反応に起因する鉄筋破断の事例が複数報告されていたが、山陽新幹線コンクリート構造物での事例報告はなかった。しかしながら、2000年7月、山陽新幹線のT型橋脚の張出し部において、道路橋の事例と同様の鉄筋破断が初めて確認された。当…

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⑦山陽新幹線鉄筋コンクリート構造物の劣化予測連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 山陽新幹線鉄筋コンクリート構造物の早期劣化が顕在化し社会問題化してからこれまでの間、JR西日本は、鉄筋コンクリート(以下、RCという)構造物の変状程度に応じて、補修工法選定フローに基づいた補修を実証的に実施してきているが、将来にわたって山陽新幹線を健全な状態で供用し続けていくためには、経年に伴うRC構造物の劣化予測を行い維持管理の全体像を把握したうえで、経営資源を適切に配分していく…

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⑥山陽新幹線コンクリート構造物の見える耐震補強連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 1995(平成7)年1月17日5時46分に発生した兵庫県南部地震(M7.3、震源の深さ16km、最大震度7)により、JR西日本の鉄道は壊滅的な被害を受けた。山陽新幹線では新大阪~西明石駅間において8箇所の高架橋等が崩壊し、在来線ではJR神戸線住吉~神戸駅間において7箇所の高架橋等が崩壊した。本連載は、山陽新幹線コンクリート構造物の維持管理の20年を振り返ることを主な内容としているが、耐震補強などの地震対…

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⑤山陽新幹線コンクリート構造物の維持管理と技術開発 ~鋼材腐食を抑制する~連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 連載【第4回】では、早期劣化が顕在化した山陽新幹線コンクリート構造物の残存予定供用期間を100年と定めて適切に維持管理していくには、どのように補修する必要があるのか?、補修箇所の再劣化を防止するためには、どのように補修しなければならないのか?について述べた。コンクリート構造物の補修の目的は構造物の要求性能(安全性や第三者影響度など)を回復することであり、維持管理においては、構造的…

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④山陽新幹線コンクリート構造物の実証的な補修の取り組み ~補修箇所の再劣化を防ぐ~連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 早期劣化が顕在化した山陽新幹線コンクリート構造物の残存予定供用期間を100年と定めて適切に維持管理していくには、どのように補修する必要があるのか?、補修箇所の再劣化を防止するためには、どのように補修しなければならないのか?が、当時の最大の課題であった。【連載】第3回で述べたように、「山陽新幹線コンクリート構造物検討委員会(委員長:新潟大学教授(当時)長瀧重義)」からの提言で、個々…

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③山陽新幹線コンクリート構造物の劣化要因と補修工法選定フロー連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 1999年に発生した山陽新幹線福岡トンネル事故と前後して、高架橋等からのコンクリート片剥落事象が多発し、山陽新幹線コンクリート構造物の早期劣化が社会問題化した。JR西日本では、高架橋等の実態把握を行うための「高架橋等総合診断」が実施されるとともに、(財)鉄道総合技術研究所にコンクリート構造物の健全性を維持していくための方策を得ることを目的として「山陽新幹線コンクリート構造物検討委員会…

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②第三者影響度連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 連載第2回では、1999年に発生した山陽新幹線福岡トンネル事故で得た重要な教訓のひとつである第三者影響度について振り返り、併せて2001年に制定された土木学会コンクリート標準示方書〔維持管理編〕について、感じていることを書き留めることにしました。

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①山陽新幹線コンクリート剥落事故の発生連載

山陽新幹線コンクリート構造物維持管理の20年を振り返って

 1999年6月、山陽新幹線福岡トンネルの覆工コンクリートが剥落し、走行中の「ひかり351号」のパンタグラフや車両の屋根を損傷し架線の支持金具を破損する事故が発生しました。また、同年10月には北九州トンネルの側壁コンクリートの打込み口の一部が落下しているのを確認車(注;鉄道設備に異常がないことを確認する目的で、毎日、営業開始前に全区間を走行確認している点検車両)が発見しました。いずれの事…

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