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-分かっていますか?何が問題なのか- ㊻高齢橋梁の性能と健全度推移について(その3)‐将来に残すべき著名橋になすべきことは‐

これでよいのか専門技術者

(一般財団法人)首都高速道路技術センター
上席研究員

髙木 千太郎 氏

公開日:2019.01.31

2.大型車交通量が道路橋の健全度に与える影響

 今回のメインテーマ、道路橋に作用する主な活荷重、車両重量が健全度にどのような影響を与えているのか分析した結果について説明しよう。

 今回分析した橋梁総数は、892橋である。前々回に説明したが、今回分析した定期点検は、3度行った点検結果による健全度評価が15年間でどのように推移したかを分析している。今回の分析は、大型車交通量による影響がどの程度あるかを調べてみることとした。道路橋は、作用荷重に対して十分な耐力を持つように設計されている。道路橋に作用する荷重とは、道路橋を構成する部材や部位に変形を生じさせる原因となる作用荷重を指している。道路橋の設計に使われている作用荷重は、常時作用するもの、頻繁に作用するもの、まれに作用するものの3種類に大別することができる。荷重には、死荷重、活荷重、活荷重に伴う衝撃、プレストレス、コンクリートのクリープ、コンクリートの乾燥収縮などに分類されている。

 今回分析対象としている活荷重、橋上を通過する交通物、移動する荷重であり、自動車、軌道の車両、歩行者や自転車などがある。道路橋の設計で活荷重を載荷する箇所は、想定する点あるいは部材に最大の影響を与える様に選定し、例えば、曲げモーメントを事例にすると、プラスの曲げモーメント及びマイナスの曲げモーメントが発生する場合には、それらの二つの最大値に考慮して設計している。鋼材もコンクリートも一定の持続荷重ではなく、大きさを変動しながら反覆作用する場合は、鋼であれば、鋼の粒子配列にひずみを生じて強度は低下する現象、疲労亀裂が発生する。応力について考えてみると、疲労現象(疲労亀裂発生)を起させない持続的な荷重、死荷重による応力をσdとし、活荷重が作用した時の応力最大値をσt、最小値をσuとすると、下限の応力σuは、活荷重が作用しない時の応力、σd=σuとなる。道路橋を構成する部材に使われている材料の疲労を考えるには、①活荷重の繰り返し採用する回数、②σt-σu③σdの大きさ、④部材に引張(+)と圧縮(-)との両振れ応力の発生する程度(変動幅)などについて考慮することが必要となる。道路橋に関係する多くの技術者が指摘する問題として、過積載車両がある。これは、設計荷重を大幅に超過する過積載車両の横行や交通量の増大によって、橋梁を構成する部材の変状は著しく、交通荷重の実態把握の必要性を要求している。交通実態を把握することは、新たな道路橋の設計、維持管理計画、道路橋のマネジメント、補修・補強工法の設定や開発に重要であり、調査データーを有効に活用できるからである。
 今回の交通量分析は、道路橋の疲労に関する影響を考え、大型車の12時間交通量が1000台未満、1000台~2000台、2000台~4000台、4000台~6000台、6000台~8000台、8000台~10000台、10000台以上の7種類に分類してみた。最も大型車交通量の少ない1000台未満の対象箇所数は、393橋で対象箇所の44.1%である。

 図‐2に1000台/12hの健全度ランクの推移グラフを示した。各交通量の大きな傾向を掴むために、占める割合が5%以上を抽出し分析する。当初Aランク評価は、148橋で37.7%、Bランク評価は、96橋で24.4%、Cランク評価は、115橋で29.3%、Dランク評価は、32橋で8.0%、Dランク評価は、2橋で1%であった。図‐1で明らかなように、健全度ランクの推移第一位は、Aランク評価のまま推移した箇所(A→A→A)で14.0%、2番目がBランク評価のまま推移した箇所(B→B→B)で8.1%、3番目がAランクから3度目の点検でBランクとなった箇所(A→A→B)が7.4%、4番目がCランク評価のまま推移した箇所(C→C→C)で5.6%、5番目がAランクから2度目の点検でBランクとなった箇所(A→B→B)で5.1%以上が5%を超えている箇所である。グラフを見て私が説明している箇所以外に、5%の箇所があるのではと思われた方は私の示したグラフを良く見ている。実は、数値上の処理、値を四捨五入し、グラフ表示したのでCランクからBランクに推移した箇所(C→B→B)は5%を超えていないのである。

 次の1000台~2000台の対象箇所数は、154橋で対象箇所の17.3%である。図‐3に1000台~2000台/12hの健全度推移グラフを示した。当初Aランク評価は、55橋で35.7%、Bランク評価は、49橋で31.8%、Cランク評価は、41橋で26.6%、Dランク評価は、9橋で5.8%であった。1000台未満と比較すると多少ではあるが健全度が悪い傾向が見て取れる。図‐2で明らかなように健全度ランクの推移第一位は、Aランクから2度目の点検でBランクとなり、そのまま推移した箇所(A→B→B)が最も多く9.7%、2番目がBランク評価のまま推移した箇所(B→B→B)で7.8%、3番目がAランクのまま推移した箇所(A→A→A)で7.1%以上が5%を超えている。傾向としては、1000台未満と比較すると、Bランク推移橋梁多い傾向である。

 3番目に位置する2000台~4000台/12hの対象箇所数は、180橋で対象箇所の20.2%である。図‐4に2000台~4000台/12hの健全度推移グラフを示した。当初Aランク評価は、74橋で41.1%、Bランク評価は、42橋で23.3%、Cランク評価は、44橋で24.4%、Dランク評価は、18橋で10.0%、Eランクは、2橋で0.2%であった。これまでと同様に推移割合が5%を超えるのは、第一位は、Aランクのまま推移した箇所(A→A→A)で10.0%、第二位は、Aランクから3度目の点検でBランクとなった箇所(A→A→B)が7.78%、第三位がCランク評価のまま推移した箇所(C→C→C)で7.78%、第四位がBランクから2度目でCランクに推移した(B→C→C)で6.67%、第五位がAランクから2度目の点検でBランクとなった箇所(A→B→B)で6.11%以上が5%を超えている。傾向としては、Cランク推移箇所が合算すると14.50%及びDランク推移箇所が3.89%と増加する傾向であった。

 4番目に位置する4000台~6000台/12hの対象箇所数は、75橋で対象箇所の8.4%である。図‐5に4000台~6000台/12hの健全度推移グラフを示した。当初Aランク評価は、16橋で21.3%、Bランク評価は、15橋で20.0%、Cランク評価は、34橋で45.3%、Dランク評価は、10橋で13.4%であった。健全度ランクの推移第一位は、Cランク評価のまま推移した箇所(C→C→C)で12.00%、第二位が、Bランクから2度目でCランクに推移した(B→C→C)で8.00%、第三位が、Aランクから3度目の点検でBランクとなった箇所(A→A→B)が6.67%とCランクからBランク3回目でCランクとなった箇所(C→B→C)が6.67%及びDランク評価の推移した箇所(D→D→D)が6.67%であり、第六位がCランクから2度目でBランクに推移した箇所(C→B→B)が5.33%以上と6箇所が5%を超えている。傾向は、やはり大型車が増加すると健全度が悪い箇所が増えており、Cランクで推移する箇所が増加するだけでなく、初めてDランクで推移する5%を超える箇所がでた。5%を下回るグラフ上の箇所においても、最終Dランク箇所を合算すると、8.00%であった。

 5番目に位置する6000台~8000台/12hの対象箇所数は、73橋で対象箇所の8.2%である。図‐6に6000台~8000台/12hの健全度推移グラフを示した。当初Aランク評価は、13橋で17.9%、Bランク評価は、21橋で28.8%、Cランク評価は、29橋で13.6%であった。健全度ランクの推移第一位は、Bランクから3度目でCランクに推移した(B→B→C)で12.33%とCランクからBランク3回目でCランクとなった箇所(C→B→C)が12.33%、第三位がCランク評価のまま推移した箇所(C→C→C)で8.22%、第四位が、Bランクから2度目でCランクに推移した(B→C→C)で5.48%とCランクから3度目でDランクに推移した(C→C→D)で5.48%、CランクからDランク3回目でCランクとなった箇所(C→D→C)が5.48%であった。交通量が6000台~8000台となると、累積大型車交通量が影響するのか、Aランクは無くなり、Cランク及びDランク推移箇所がメインとなった。

 6番目に位置する8000台~10000台/12hの対象箇所数は、17橋で対象箇所の1.8%である。図‐7に8000台~10000台/12hの健全度推移グラフをしめした。当初Aランク評価は、1橋で6.00%、Bランク評価は、6橋で35.3%、Cランク評価は、6橋で35.3%、Dランク評価は、2橋で11.7%、Eランクは、2橋で11.7%であった。第一位は、Cランク評価のまま推移した箇所(C→C→C)で11.76%、Bランクから3度目でCランクに推移した(B→B→C)で11.76%、Bランクから3度目でDランクに推移した(B→B→D)で11.76%及びCランクから2度目でDランクに推移した(C→D→D)で11.76%であるが、グラフ上は、2箇所が全体パーセンテージ数を合わせるために便宜上12%としている。いずれにしても、11%、12%は箇所数で2箇所であること、6%代はいずれも対象が1箇所であることを考えると、総数での分析評価が好ましいと判断した。結論としては、中位に位置するB、C,Dランクが多い様に見えるが、対象数が少ないので決め手にはならない。大型車交通量が8000台~10000台/12hの箇所には、危険と判定されるEランク評価が2箇所となったのが特筆すべきことである。当然、Eランク評価箇所は放置せずに、即時対策を行い、事故発生などないように措置を行っている。7番目の10000台を超える橋梁は、今回の調査箇所には無かった。今回の分析結果から言えることは、供用道路橋の健全度は、累積大型車交通量の影響がある程度考えられるとの結論である。

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「3.供用下道路橋の疲労耐用年数」

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