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中央道・弓振川橋床版取替工事

NEXCO中日本 「DAYFREE」工法試行導入の現場を公開

 中日本高速道路(NEXCO中日本)八王子支社は26日、中央自動車道の諏訪南IC~諏訪IC間に架かる弓振川橋床版取替工事を報道陣に公開した。同工事では、渋滞を抑制する床版取替工法「DAYFREE」が試行導入されている。同工法は、NEXCO中日本が次世代技術を活用して高速道路保全マネジメントの進化を目指す「i-MOVEMENT」の一環として大林組と共同開発したもので、交通量が比較的少ない夜間に1車線規制で半断面施工をして、昼間は車線規制を解除して交通開放できることが最大の特徴だ。

 半断面専用の移動式床版架設機「ハイウェイストライダー」や、舗装と防護柵を一体化させた仮設床版、大林組が開発した超高強度繊維補強コンクリート(UFC)「スリムクリート」を使用したプレキャスト板「スリムNEOプレート」などを新たに開発。それらを用いることで床版取替工の施工ステップを分割して、夜間のみの施工を実現させた。

 今回、DAYFREE工法を用いて施工しているのは、1981年3月に供用された橋長203.5mの同橋・上り線で、RC4径間連続中空床版橋+鋼単純合成鈑桁橋+RC6径間連続中空床版橋のうち、鈑桁橋部(P4~P5)の延長39.2m(392m2)。2期に分けての施工で、Ⅰ期施工は本年6月1日から7月18日まで対面通行規制を実施して、12枚の既設床版の撤去と新設床版の架設を行った(1枚の標準サイズは既設・新設ともに2.0m×約5.0m。重量は、既設が鋪装込みのため9.2t、新設が6.9t)。Ⅱ期施工は9月7日から12月18日の予定で、昼夜連続1車線規制を実施して26枚の床版撤去・架設を行う。

 Ⅰ期施工では「床版回転時の片側車線へのはみ出しや作業員の安全性を確認するため、対面通行とした」(NEXCO中日本)。Ⅱ期施工では「1車線規制のなかで問題なく施工ができるかを確認するとともに、DAYFREE工法の工程と同じことを行って夜間の規制時間内で施工が可能かの作業時間の確認を行っている」(同)という。




現場公開時は追越車線を規制して新設床版の架設を行っていた(大柴功治撮影)


 同工法の施工ステップは、「既設床版切断~床版架設機搬入~既設床版撤去~上フランジケレン・本設スタッド溶接~仮設床版設置~仮鋪装・交通開放」と「仮鋪装撤去~仮設床版撤去~新設床版設置~スリムNEOプレート設置~本鋪装・交通開放~床版接合部(スリムファスナー)へのスリムクリート充填」の2ステップに分かれている。最初のステップ(1日目)を行った翌日以降の夜間に次のステップ(2日目)を行うのが標準であるが、今回は昼夜連続で作業を行っているので、原則、昼間に仮設床版の撤去まで行い、夜間に架設機を搬入して新設床版架設以降の工程を行っている。



施工ステップと車線規制(弊サイト掲載済み)


 Ⅰ期施工時の作業時間では、1日目が6時間、2日目が7.5時間となり、夜間規制時間が10時間程度で、規制の設置・撤去に約2時間かかることを考慮しても、規制時間内で作業を完了できることが確認できたが、Ⅱ期施工でさらに詳細な確認をしているという。

 門型クレーンを採用した床版架設機「ハイウェイストライダー」はトレーラーで搬入し、約40分で設置が完了する。1回の施工では、床版架設機で既設床版2枚(4m)を撤去。仮設床版を撤去箇所に同じく床版架設機で設置し、端部の間詰仮鋪装を行えば1日目の作業が完了となる。なお、既設床版の撤去では、上フランジのスタッドを一緒に撤去する「サブマリンスライサー」を、研掃作業では「フランジブラスター」を用いて、作業時間の短縮を図っている。

 新設床版設置後は、床版接合部上部に「スリムNEOプレート」(厚さ350mm)を設置する。高強度のUFCであるために、鋪装後はすぐに鋪装工に移れるのが特徴だ。床版の接合は「スリムファスナー」を用いて、後日、スリムクリートを床版下面から充填していく。橋軸方向の接合構造(縦目地)についても、橋軸直角方向と同様で、スリムNEOプレートを設置して、接合はスリムファスナーで行う。



仮設床版の構造/プレキャストPC床版の接合構造(弊サイト掲載済み)


 同工法に関して、NEXCO中日本八王子支社松本保全・サービスセンターの酒井修平所長は「都市部などの重交通路線での工事において規制や渋滞の抑制に役立つとともに、(工事を連続的に行う必要がないので)労働環境の改善にも寄与できる」と期待を示した。今後は、同社の「東名多摩川橋床版取替工事」において同工法の採用が検討されている。

 元請は、大林組。

(2020年10月28日掲載。後日、詳細記事を『現場を巡る』で掲載予定です)