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三井住友建設では初となる床版架設機

三井住友建設・横河ブリッジJV 床版架設機の試験施工を実施

 中日本高速道路発注の「東名高速道路(特定更新等)裾野IC~沼津IC間床版取替工事(2019年度)」を施工している三井住友建設・横河ブリッジJVは、23日と24日に静岡県御殿場市の神山ヤードで、三井住友建設が開発した床版架設機の試験施工を実施した。
 同社としては初の床版架設機で、10月3日から裾野IC~沼津IC間を終日対面通行規制にして行われる「富沢第二橋(下り線)床版取替工事」で使用する。施工区間の一部が高圧線下となり、クレーンでの施工が不可能なためだ(高圧線下以外はクレーンで施工する)。



床版架設機本体


 試験施工では本施工に近い現場条件を再現し、実際に床版の架設と撤去を行って、機械の設備・能力、作業員の役割分担や連携などを確認した。

 床版架設機は全断面での床版取替が可能で、クレーンではなくリフターを採用していることが特徴だ。リフターの採用により、完成検査を省略できることから現場工程にあわせて施工できる利点があるという。今回は同橋工事専用として製作され、橋軸方向約20m、橋軸直角方向約8m(本施工時の主桁間隔)とかなり大型なものとなっている。橋軸方向の梁両端には門型にそれぞれ4基のリフターが設置され、せり上げ能力は4基合計で60tを有している。同橋工事では床版接合方法に縦締めPCを採用していて、新設床版も橋軸方向2.4m、重量約20tと通常のものよりも重量があるため、それに耐えられる能力を確保した。

 床版の撤去、架設は1日あたり各3枚が可能で、所定の枚数が完了したら、桁上に設置したレールで床版架設機を移動させる。レールは1日の作業分だけ設置して、移動の際に継ぎ足して、不要となったレールは撤去していく。

 試験施工初日の23日午前には、床版2枚の架設を行った。床版を搭載したトレーラーが床版架設機内に進入、梁に設置された吊り金具に玉掛け後、リフターで床版をせり上げ、トレーラーが退出した。玉掛けは吊り金具側のフックを床版側のアンカーに掛ける方法で、8点支持としている。吊り金具で床版を橋軸方向に移動し、架設位置手前で90度回転させた。橋軸直角方向の位置調整は吊り金具で左右それぞれ30cm可能になっている。さらに、架設にあたっての微調整は、架設側のリフターをミリ単位で操作するとともに、人力でレバージャッキを用いて行っていた。2枚目の床版も1枚目と同様に架設していったが、床版接合に縦締めPCを採用しているため、シースの仕口合わせ(継手シースの挿入)では時間をかけて、上下左右の微調整をしていた。



トレーラーから床版を架設位置に移動していく


微調整後、1枚目の床版架設が完了


2枚目の床版架設。慎重にシースの仕口合わせを行った


2枚の床版架設完了


 試験施工を終えた三井住友建設・横河ブリッジJV東名裾野沼津作業所の杉山智昭所長は、「床版架設機の設備と能力は問題なかった。作業員の役割や連携では課題も見つかったので修正をして本施工に臨みたい」と語った。三井住友建設では今後、今回の床版架設機を改造することにより、トンネル近傍や住宅連担地などのクレーン施工できない箇所や半断面施工でも活用していきたいとしている。

(2020年9月28日掲載 大柴功治)