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盤膨れ対策工で1車線規制で施工が可能に

飛島建設・鉱研工業 無粉塵・無水による長尺ロックボルト打設技術を開発

 飛島建設と鉱研工業は10日、道路トンネルの盤膨れ対策工として「無粉塵・無水鉛直二重管式削孔による長尺ロックボルト打設技術」を開発したと発表した。新たに開発した集塵システムを用いることにより無粉塵で施工できるため、片側1車線を供用しながら打設が可能となる。また、水を使わずにエアーで削孔することにより、地山の膨張を促進させずに施工ができることも特徴となっている。

 インバートコンクリート未設置のトンネルでは、地山の長期的な風化変状により路盤面が隆起する「盤膨れ」が発生し、その対策が必要となる。対策工には、インバート設置工およびロックボルトや鋼管打設工があるが、インバート設置工では通行止めを含む長期間の道路規制や費用がかさむ課題があった。一方、ロックボルトや鋼管打設工は短期間で施工できるが、トンネル内での粉塵発生が課題となっていた。今回の無粉塵化により、その課題を解決し、供用下の通行車両に影響を与えることなく施工ができるようになった。



供用下での施工状況図


 同技術は、鉱研工業の急速削孔が可能な油圧削岩機を用いて、鉛直下向きにロックボルトを打設することで盤膨れによる変形を抑制するもので、深度15mまで対応が可能。外管(アウターロッド)と内管(インナーロッド)の二重管式削孔のため、アウターロッドによって孔壁の崩壊を抑えながら充填材(モルタル)を注入した後に、ロックボルトを挿入し、アウターロッドを引き抜きことで地山に密着した確実な打設が行える。削孔長10mの場合、削孔からアウターロッド引き抜きまで約1時間で施工ができるという。削孔中に発生する粉塵はエアーとともに回収して、集塵機で粉塵を分離回収する。

 昨年12月には埼玉県寄居の採石場でトンネル内での施工を想定した試験施工を実施し、削孔や施工サイクル、粉塵の発生状況を確認した。



試験施工の様子


 今後は、高速道路リニューアルプロジェクトや国道トンネルでの採用を目指していく。実施工の際には、集塵システムをトラック上に設置することでコンパクト化して、設備の設置撤去時間を短縮することで作業可能時間の最大化を図り、夜間規制のみでの施工も実現していくという。



施工時の設備配置イメージ

(2020年9月11日掲載)