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三井住友建設と共同開発 壁高欄も非鉄構造

NEXCO西日本 徳島道付加車線事業の別埜谷橋上部工で世界初の非鉄PC橋を架設中

公開日:2020.04.23

 西日本高速道路四国支社徳島工事事務所は、徳島道の付加車線事業の別埜谷橋上部工において、同社と三井住友建設が共同開発した「Dura-Bridge®」を用いて、世界初となる非鉄プレキャストPC橋の架設を進めている。記者が取材した4月22日にはA1側端部3ブロックと中央部5ブロックの架設を完了していた。(井手迫瑞樹)

架設前のプレキャストセグメント/バタフライウェブは部材厚が薄い
 同橋は橋長26.5m、桁高2.8m、幅員11.554mの単純PCバタフライウェブ橋。緊張材および鉄筋には鋼材を使わず、アラミド(テクノーラ)FRPロッドを使っていることが特徴で、将来の腐食による損傷をなくすことができる。また80Nの高繊維補強コンクリートを採用、部材厚を薄くしている。バタフライウェブを採用することで、通常のPC箱桁より1~2割軽くできるため、耐震性の向上にも寄与し、点検時に光が差し込むため、維持管理性の面でもメリットを有している。

架設状況及び把持状況
 施工の面でも工夫している。桁に吊孔を設けず、UFOキャッチャーのように桁を把持する吊方法を採用している。把持部はスライドさせるだけで着脱可能だ。

スライドさせて着脱

 施工後は(トラス足場上に架設している)たわみを考慮して高さ調整を行った上で、間詰部をグラウト充填し、端部ブロックの充填作業を行った後に外ケーブルで全体を緊張する。
 その後、壁高欄を施工するが、これも非鉄(GFRP)製の補強筋を用いたプレキャスト壁高欄「Dura-Barrier®」を採用する。
 元請は三井住友建設。上部工架設は4月頭から始め8月上旬ぐらいまでに全16ブロック(端部3ブロック×2、中央部10ブロック)の架設を完了する予定だ。

(2020年4月23日掲載、2020年5月下旬に詳細版を『現場を巡る』で掲載する予定です)

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