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床版取替時の工程を約14%向上

日鉄エンジニアリング・極東興和 継手部の配筋を省いた床版継手を開発

 日鉄エンジニアリングと極東興和は、共同で継手部の配筋を省いたプレキャストPC床版継手「ELSS Joint(エルスジョイント)」を開発した。従来のような鉄筋を用いた継手とは異なり、プレキャストPC床版間に低剛性の専用エポキシ樹脂モルタルを充填することにより、床版相互を半剛接合するもの。継目幅は標準で25mmと従来工法より狭くできるため、プレキャストPC床版幅を広げて枚数を減らせるとともに、鉄筋を設けない簡単な方法で接合できることから、床版取替時の工程を約14%向上でき、交通規制期間を1割以上短縮することが可能だ。



従来のループ接手(左)とELSS Joint(右)の構造概要


 充填材のエポキシ樹脂モルタルは、ヤング係数が約1,000~3,000N/mm2と従来工法の接合部コンクリート(約33,000 N/mm2)と比べ低く、引張強度が約8.0N/mm2(コンクリートでは約3.0 N/mm2)と高くなっており、継目に作用する断面力を減少するようにしている。充填材は、現場で主剤、硬化剤、骨材をミキサー攪拌して作る。

 プレキャストPC床版の接合面は上縁と下縁が広がった形状となっているが、プレキャスト部材が相互に噛み合うためのせん断キーを有していない。そのため、工場でマッチキャストによる製作が不要になり、従来工法である鉄筋継手の床版と同じスペースで工場製作が行えることも特徴である。



プレキャストPC床版の接合面/充填材施工状況


継手形状図/プレキャストPC床版設計図面例


 供試体を用いた試験により、設計荷重に対して十分な静的耐力を有すること、輪荷重走行試験機を用いた試験により、現行のRC床版を上回る疲労耐久性を有していることを確認している。また、充填材の付着耐久性については、JIS A 1171(ポリマーセメントモルタルの試験方法)の要領に準じた温冷繰返し作用や、NEXCO構造物施工管理要領に準じた凍結融解作用を与えた供試体により、強度および破断面の状態を確認した。



静的載荷試験(左)と輪荷重走行試験(右)の実施状況


 コストは従来工法と同等以下としており、極東興和の関連会社であるキョクトウ高宮で2020年度から販売を開始する予定である。

(2020年1月28掲載)