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汽水域や飛来塩分がある程度ある地域の構造物が対象

日鉄ステンレス 次世代二相ステンレス鋼「NSSTS 2351」の販売を開始

 日鉄ステンレスは、汽水域の厳しい腐食環境にも適用可能で強度・溶接性に優れた次世代二相ステンレス鋼「NSSTSTM2351」の販売を開始した。比較的高温の汽水環境におけるインフラ設備や、食品・薬品・科学分野のタンク・容器類、上下水道のインフラ設備など。2020年度下半期で2000t/年、中期的には3000t/年の採用を目指す。(井手迫瑞樹)


 従来の同用途に使われてきた同社のステンレス鋼はSUS316・316Lだが、海水温度の上昇や海面高の上昇による汽水域の拡大により、十分な耐食性を発揮できないケースが出てきた。NSSTSTM2351は、鋼材にクロムを23%、ニッケルを5%、モリブデンを1%と窒素を添加している耐食性や強度に優れたステンレス鋼。SUS316・316Lに比べて孔食発生臨界温度(CPT)で2.5倍(15℃→40℃)、耐孔食指数(PREN値)で5程度向上しているなど優れた耐食性を有する。塩害環境の極めて厳しい沖ノ鳥島で行っている長期暴露試験では19年経過しても部分的に最大0.06mm程度しか孔食が発生しなかった。

 同様に強度は約2倍程度(205N/mm2→400N/mm2)、溶接性も独自開発したマイクロアロイング技術(ごく微量のニオブ(元素記号Nb)を添加し、それに合わせて鋼材製造技術を適正化する技術)を活用することで、大入熱・繰り返し溶接を行っても窒化物の析出が起きにくく、溶接部の耐食性の低下を大きく抑制している。


 コストはSUS316・316Lと比較してレアメタルの含有量(ニッケルを58%、モリブデンを50%削減)を大きく削減していることや強度向上による薄肉軽量化が図れることから製品単体だけでも1割程度安くできる。また、設計・施工・輸送のコストも(軽量化・薄肉化により)削減できる。


 製品ラインナップは厚中板(6~50mm厚)、冷延薄板(0.5mm~4.0mm厚)、熱延薄板(4.0~8.0mm厚)。需要を見て棒鋼にも視野を広げる。道路分野では防食兼用の常設足場や汽水域の水門及び橋梁、ステンレス鉄筋などに用途を広げていく方針だ。

(2019年9月18日掲載)