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国道8号柏崎トンネル(山岳部)工事で初適用

安藤ハザマ トンネル切羽安定度予測システムを高度化

 安藤ハザマは、AI(人工知能)を使って切羽の安定度を自動的に予測できるシステム「TFS-learning」を高度化した。2016年に開発された同システムは、削孔速度、フィード圧、打撃圧、回転圧の削孔データをもとに、発破後に露出する切羽の安定度を予測するもの。今回の高度化では、「長尺削孔モード機能」と「フェイスマッピング機能」を追加している。

 長尺削孔モード機能では、長尺鏡ボルトや削孔検層などの長尺削孔データを利用して、10~30m先の切羽状態を予測して、地山等級の判定が可能になった。高度化前のシステムは、削孔長約1~1.5mの発破孔の削孔データには対応していたが、長尺削孔データには対応していなかったため、利用は発破掘削方式の現場での安全対策に限定されていた。長尺削孔データの解析は、RPA(Robotic Process Automation)の採用で完全自動化される。



長尺鏡ボルト 削孔データ例/システム画面(安藤ハザマ提供、以下同)


 フェイスマッピング機能では、同システムが予測結果として出力する切羽安定度のカラーコンター図をプロジェクターにより切羽面へ投影する。高度化前は、カラーコンター図はPC画面のみで閲覧が可能で予測結果の確認者が限られていたが、現場の切羽面に投影することにより、すべての作業員が確認できるようになり、施工の安全性向上が期待されている。同機能の基礎実験は実施済みだが、投影するためのソフトウェア開発を今年11月ごろまでに完了させて、それ以降の現場で本格運用を開始する予定だ。


フェイスマッピング基礎実験の様子


 長尺削孔モード機能は、新潟県柏崎市の国道8号柏崎トンネル(山岳部)工事(発注:北陸地方整備局)で初めて適用している。「脆弱な地山であることが設計段階から判明していて、トンネル延長1,128mのうち752mで長尺鏡ボルト工法およびAGF工法を採用することが決定していたため、(同機能を)適用することにした」(安藤ハザマ)という。現場では12.5mの長尺鏡ボルトを打設していて、その削孔データをもとに切羽前方の状態を定量的に予測し、地山等級の判定に活用している。その予測制度は90%以上で、適切な掘削や支保パターンの選定に役立っているということだ。

 これまでTFS-learningは、2016年の国道106号新箱石地区道路工事(新箱石トンネル)(発注:東北地方整備局)に初適用後、発破掘削トンネル工事2件に適用している。

(2019年4月2日掲載)