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鋼製橋梁業界の展望

2018年度鋼橋需要は横ばい 対墜落災害防止対策に本腰

 日本橋梁建設協会の調査による2018年度上期の鋼橋受注実績(輸出橋梁や鉄道橋などの民間需要を含む)は、対前年同期比64.6%増の約19万tとなった。前年度同期で受注がなかった海外橋梁が4万3,520tと、上期実績の底上げに大きく寄与するとともに、国内道路橋も堅調に推移した。下期は、高速道路の暫定2車線区間の4車線化工事などをはじめ、高速道路会社などの更新事業が順調に出件すると見込まれており、18年度全体では昨年度同様の30万t前後の水準が予想されている。鋼橋業界の2019年を展望する。


 18年度の鋼製橋梁需要は、昨年度同様の30万t前後と見込む。海外橋梁が調査開始以来過去最高の8万7,780tとなった17年度には及ばないものの、上期でインド、バングラデシュなどで大型プロジェクト案件4万3,520tを受注、堅調に推移している。

 道路橋も東海環状道路、名古屋環状2号線、暫定2車線区間の4車線化などの大型工事の発注が順調。高速道路会社の床版取替などを中心とした大規模更新事業が出件すると見込まれていることから、道路橋はやや微増とみている。ただ、「道路橋22万tは金額ベースで約3,160億円。会員が事業を維持できる最低限の水準」(関係者)。業者数が変動せず、依然、受注競争の激化は変わらない。大型案件については受注業者が数社による寡占化傾向で、積算精度、コスト競争力、技術提案力などの差が鮮明に表れてきている。

 19年度は、道路橋については高速道路会社の発注は堅調とみているが、全体では18年度同等またはやや下回ると見込んでいる。海外橋梁に関しては、南アジアやアフリカなどを中心にODAによる案件などが見込まれている。




 一方、補修、耐震補強などの保全事業、更新事業が増加しており、大都市部での道路修繕・改築、大規模更新が活況を呈している。昨年度の道路橋における保全工事重量比率は3.7%。受注量を金額ベースで換算すると、保全工事は約560億円で金額比率では17.7%。市場拡大とともに、保全工事の受注価格が改善傾向にあり、新設からのシフトが進むと見込む。ただ、保全工事や大規模更新は売上面では大きく寄与するが、製作物が少なく工場操業度には寄与しないという装置産業としての構造的な課題をかかえている。収益と工場操業度の兼ね合いをどうとるかが重要となってくる。



2018年5月供用の天城橋(左)と1966年完成の天門橋(右)。発注者・熊本県

(写真提供:横河ブリッジ)


 他方、墜落災害など労働災害に歯止めがかからないことから、墜落災害防止に焦点を絞って、ヒューマンエラーをITによるフォローで防止する研究、組立・解体が安全にできる吊り足場やシステム足場、安全帯使用徹底のための検知システムなどの研究開発に着手。事故防止対策に本腰を入れ始めた。コストアップにつながるが、開発製品を率先して普及・活用し、墜落災害の防止を図るとしている。

(「週刊鋼構造ジャーナル」2019年1月7日号より転載)