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データ連携や研究開発を推進

首都高速道路と防災科学技術研究所 災害対策強化で連携

公開日:2018.12.20

 首都高速道路(宮田年耕社長)と防災科学技術研究所(林春男理事長)は19日、災害対策強化のために連携協定を締結した。道路会社と防災科学技術研究所との協定締結は初めてとなる。
 首都高速道路では積雪・凍結、大雨・強風、地震などへの対策強化を進めてきたが、協定締結により防災科学技術研究所が持つ気象、雪氷などのノウハウの活用やデータ連携を行い、災害対策の充実を図る。積雪センサーの設置箇所についても、防災科学技術研究所のアドバイスを受けるとしている。防災科学技術研究所では、首都高速道路が設置したセンサーによる観測網が増えることによって、予測精度の向上や首都高速をフィールドにした雪氷の研究や応用面の実証が可能になる。また、人的交流を通した技術力の向上や他分野への展開、災害発生時における相互協力など、多方面にわたって協力が見込まれている。
 具体的な個別施策では、①降雪予測の精度向上に関する研究開発、②画像から路面状況を把握する研究開発、③安全な交通運用のための気象予測精度向上の研究開発、④地震データの連携にともなう被害予測精度向上の研究、⑤防災減災に関する道路状況等の効果的な情報発信の研究が想定されており、いずれも3年程度での実用化を目指すとした。
 協定締結後の挨拶で、宮田社長は「(首都高速道路は)全延長320kmの首都圏の基幹ネットワークを担っており、災害時に信頼あるネットワークを確保することが我々の責務である。防災科学技術研究所様から知見、経験を教えていただいて、その責務に一層応えていきたい」と述べた。また、林理事長は「首都圏の事業継続能力を高める取り組みを昨年度から進めている。首都圏の基幹道路交通網の担う首都高速道路様と連携協定を締結できたので、双方が持っている技術、データを共有して、災害に対して強い首都圏をつくっていきたい」と述べた。


宮田年耕社長(左)と林春男理事長(右)

(2018年12月20日掲載)

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