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RC床版の床版防水工15万6000㎡、舗装打替え工26万3000㎡など

阪神高速 堺線・西大阪線の大規模リニューアル工事現場を報道陣に公開

 阪神高速道路は、11月2日午前4時~11日午前6時までの10日間、15号堺線(高津IC~堺IC)全線13.4kmと、17号西大阪線(安治川IC~南開JCT)全線3.8kmを終日通行止めしたリニューアル工事を行っている。2日午前中にその現場をマスコミに公開した。内容はRC床版の床版防水工156,000㎡、舗装打替え工263,000㎡(うち排水性舗装141,000㎡)、ジョイント取替396レーン、ジョイントレス工107レーンなど。人員・機械は延べ14,000人・8,000台を投入する。床版防水には初めて複合床版防水を全面投入した。騒音振動対策として鋼床版上の舗装撤去にIH式舗装撤去工法、既設ジョイントの撤去にSJS工法も採用している。

 同区間は西大阪線・堺線とも1960年代末から70年代前半に建設・供用されている区間で、1983年、1990年は堺線のみで、1998年、2007年は堺線と西大阪線でそれぞれ修繕工事を行ってきている。しかし舗装のわだちやポットホール、一部で床版の損傷が見受けられることから、構造物の長寿命化と高速道路の安全・安心を図る目的として大規模なリニューアル工事を行うものだ。

供用履歴(阪神高速道路提供、以下注釈なきは同)

修繕履歴


 舗装打替えは全体の6割強に排水性舗装を施工し、走行安全性を向上させる。舗装切削機は12台を現場に入れており、2台当たり1日約7,000㎡、合計42,000㎡を1日で切削する。

舗装切削状況/大型剥がし機の施工状況(RC床版上) (井手迫瑞樹撮影)

 RC床版防水は、床版の経年劣化を考慮し、RC床版のひび割れに含浸する防水プライマーを第一層、既存のアスファルト系防水層をその上層に敷設する複合床版防水工を全面的に実施する。同工法は舗装切削後の表面研掃・補修が、既存アスファルト防水工が残った部分の除去と、脆弱部の断面修復だけですみ不陸修正工を必要としない。またRC床版の微細なひび割れに含浸するため、既設床版の耐久性も向上する。

複合床版防水概要図

 鋼床版はIH式舗装撤去工で撤去後、ショットブラストで研掃し、残った部分や浮き錆びを乗用タイプの大型剥がし機(ビーストなど)や手斫りなどで除去した後にグースアスファルト、舗装を施工する。同工区ではショットブラストの投射密度は250~300kg/㎡となっている。本工事ではショットブラスト機19台、大型剥がし機6台が現場に入る。

 既設ジョイントの撤去は1箇所当たり3回(幅員6mを2mずつ3回に分けて)切断撤去する。その撤去工法には、騒音や振動を考慮してSJS工法を採用した。同工法は、カッターで鉛直に切り込みを入れた後、四隅および中間部をコアドリルし、ワイヤーソーのプーリーやワイヤーが回ることができる空間を作りワイヤーソーを入れ、最後に水平切断してジョイントを撤去するもの。従来のブレーカーによる斫り(120~130dB)に比べて、施工時の騒音を80dB弱に抑えられ、打撃による斫りではないことから桁を伝う振動もほとんど発生しない。本現場には最大6台が現場投入される予定だ。


SJS工法の施工状況(コアドリル作業状況)

 ジョイント取替の際に段差ができないように工夫も行っている。従来はジョイントを交換した後に舗装を施工するため、ジョイント前後に段差が生じる傾向があった。本工事では、舗装施工時に一度ジョイント部までを埋める形で施工し、その後ジョイント部の舗装だけを撤去し新しいジョイントを入れる手法を採ることで段差の発生を抑制する。ジョイント取替は396レーンのうち、簡易鋼製ジョイントへの取替が182レーン、ゴムのみの取替が214レーンで、鋼製ジョイントの一部(18レーン)には次回の取替を容易にするためリペアコント工法を採用している。ジョイントレス工は、床版連結が19レーン、埋設ジョイントが28レーン、シームレスジョイントが62レーン。

 元請は床版補修・舗装打替えなどがNIPPO、大成ロテック。ジョイント補修工事が、キンキ道路、スバル興業、ケイアールティ。(2018年11月2日掲載、井手迫瑞樹、詳細は11月下旬に「現場を巡る」ページで掲載予定です)