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中央部の桁下が大きく損傷

山口県 大島大橋に大型貨物船が衝突

公開日:2018.10.23

 山口県が所管する周防大島と本土を結ぶ大島大橋の桁中間部にタンカーが衝突し、桁下弦材など本体の損傷のほか、送水管や通信用光ケーブルを切断するなど甚大な損害が出ている。現在、県では全面通行止めし、フェリーによる代替輸送を行っている。
 柳井海上保安署によると22日0時半ごろに同橋の桁下をマルタ船籍の大型貨物船が通過した際に、船体が桁を擦るように衝突し、橋へ損傷を与えたようだ。

損傷箇所(柳井海上保安署提供)
 同橋は橋長1,020mの鋼連続トラス橋。中央部が200+325+200mの3径間連続変断面(下路→中路→下路)鋼トラス橋で、両側径間が2径間連続上路式鋼トラス橋(いずれも140m強)という構造だ。今回、大型貨物船は同橋のちょうど中央付近に衝突した。同橋が渡す大畠瀬戸は最速9ノットの潮流を誇る国内でも指折りの瀬戸であり、H.W.Lは30mとなっている。「衝突当時の詳しい潮汐状況は不明」(同保安署)であるが、船体の喫水状況などと加え、今後詳細に調査していくことになる。
 桁の損傷が比較的ひどい。一部取替を選択する場合は、バイパス材で仮補強した上で、当該部分を切断撤去し、新しい部材に架け替えることなどが考えられる。しかし、衝突による損傷は当該部以外にも変位などの形で入っている可能性があるため、本格復旧を行う際は、詳細な調査が必要になる可能性がある。

(2018年10月23日掲載、井手迫瑞樹)

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