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クランク式 土木研究所と同仕様

ショーボンド建設 床版対象に新しい輪荷重走行試験機を導入

 ショーボンド建設は3日、つくば市の同社補修工学研究所で、床版の疲労耐久性試験を主対象とした新たなクランク式の輪荷重走行試験機および同試験機を入れた第二移動載荷試験棟の完成披露式典を開催した。同社は20年前にゴムタイヤ製の自走式載荷試験機を導入していたが、大規模更新・大規模修繕など維持管理分野における床版分野の拡大を鑑みて、土研と同仕様の機械を新たに導入したものだ。


新試験機

 新試験機の駆動方式は電動機駆動式(クランク式)。後方の大きな円盤が回転することによって、輪荷重走行試験機(鉄輪)が往復運動をするもの。走行範囲は1~3mで、載荷荷重は走行時100kN~400kN、停止時(静的載荷)は最大1,000kNかけられる。シリンダストロークは200mm(鉛直方向)と概ね土木研究所にあるものと同様の機能を有している。

 載荷スパンは、標準スパン2.5m、長さ4.5m、床版厚さは30cmまで対応可能。道路橋示方書にも提案されている国土交通省提案の床版疲労耐久性試験「階段状漸増載荷」を行うことができる。1日の最大載荷回数は72,000回。荷重の追従性を良くするために、載荷ブロックは一体化になったものと、2分割したブロック式のものを用意している。これは松井繁之大阪大学名誉教授の助言に沿ったもの。

 

 同社の岸本達也社長は「この研究所は平成8年にできて20年以上経っている。ずっとゴムタイヤ式の載荷試験機を使ってきたが、技術サイドからの強い要請があり、約1年かけて立派なものを作り上げることができ。これからが非常に楽しみ」と述べた。その上で「当社は今年で創立60年を迎えるが、ずっとコンクリート床版を補修させて頂いている。古くは新潟の昭和大橋でひび割れ注入、阪神高速では鋼板接着補強、今では名高速や首都高速でアラミド繊維シートや炭素繊維シートによる補強を行っている。新試験機を有効に活用してさらに床版にかかわる技術を増やしていきたい」と語った。

岸本社長/松井教授/西川理事長

 また、来賓には床版の研究にかかわりの深い、松井教授とその研究パートナーの西川和廣土木研究所理事長を招いた。来賓祝辞で松井教授は機械の完成を祝した上で「クランク式は、今回のショーボンド製で15台目、ゴムタイヤ式を含めると18台に達した。これらを自社目的だけでなくプロジェクトを効率的に進めるために各々の機械が助け合って動いてくれることを期待している」と述べた。また、「ショーボンド建設は、ゴムタイヤ式の試験機も有しているし、全天候型の試験装置を持っている。これらを組み合わせれば、(単なる疲労だけでなく)凍害や塩害、複合劣化などの実験も効率的に行えるのではないか」と期待を示した。

 西川理事長は22年前に初めてクランク式の試験機を導入したことを回想し、「2,3年で役割を終えるのではないかと思われていた試験機は、20年以上経った今でも殆ど休みなく動いている。今回導入された輪荷重試験機もきっと休みなく動いて、立派な成果を示してくれるのではないか」と述べた。


挨拶後、岸本社長、松井教授、西川理事長、岳尾弘洋専務によりテープカットされた

動き出した新試験機

(文・写真:井手迫瑞樹、2018年7月11日掲載)