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時代を画する新しい道路・構造物を構築したい

阪神高速道路 2大プロジェクトに着手

 阪神高速道路は4月25日、大阪市内で幸和範社長による記者会見を行い、平成29年度阪神高速グループの主な取り組みおよび今年度から始まる中期経営計画について説明した。今年度のスローガンは「最高のお客様満足に向けて挑戦」。その中で関西の道路網に今なお残るミッシングリンクを解消するための新規プロジェクトとして、淀川左岸線延伸部・大阪湾岸道路西進部について今年度から着手することを報告した。また、熊本地震でロッキングピアを有する橋が落橋し、交通に大きな影響を与えたことから、同社が保有する東大阪線等のロッキングピア7箇所の耐震補強に今年度から着手する方針を明らかにした。(井手迫瑞樹)


 淀川左岸線は、現在施工中の大和川線と同じく大阪都市圏の外環状の一角を形成する。すでに北港JCT~海老江JCT間5.6kmは供用済みで、現在は平成32年度の供用を目指し、海老江JCT~豊崎出入口(仮称)までの4.4kmを施工中だ。延伸部はさらにその先、門真JCTまでの8.7kmを建設するもの。西日本高速道路との合併施工で、門真JCTおよび門真IC付近の高架部など1.1kmを西日本高速道路、その他のトンネル部7.6kmを阪神高速が分担する。中央部は地表から約70mの深さにあり、いわゆる「大深度地下」が適用される予定だ。

また、大阪湾岸西伸部は、神戸大阪間の東西交通の渋滞解消や神戸港の物流効率化、大規模更新・大規模修繕事業のリダンダンシーなどに寄与するもので、全体延長14.5kmのほとんどが橋梁・高架形式で計画されている。総事業費5,000億円のうち、(阪神高速道路が担当する)有料道路事業費は半分の2,500億で計画されている。航路を跨ぐ部分は現時点では3つの斜張橋で飛ばす計画となっている。

 幸社長は同事業の背景について、「京阪神地区の高速道路網の整備は、首都圏に比べて2、3周遅れているが、今回、天の時、地の利、人の和が揃った希有な状況もあり、関西では政官財が初めて一致して、高速道路網の整備が実施できる状態となった。特にこれらの事業の早期完成に向けて、高速道路料金の一部を使ってでも推進して良いという声が、関西地方の自治体首長からも出てきたことは、関西地方だけでなく、国家100年の大計を成すインフラ整備として非常に喜ばしいことである」述べた。また、2つの大プロジェクトは多くの長大橋(大阪湾岸道路西伸部)、大深度シールド(淀川左岸線延伸部)といった技術が必要となるが、「我々の有している技術やビッグプロジェクトがここ10~20年なかったことにより少し課題もあるが、(関西の土木技術における)産官学の連携を再構築して、時代を画するような、あるいは新たな価値を有する道路を建設していきたい」と抱負を述べた。

 加えて、6月3日から現状の下限300円、上限930円(ETC利用普通車料金)を大都市近郊の高速道路料金水準に統一し、下限300円、上限1300円に変更する、車種区分を2から5に拡大することなどを柱にした新たな料金体系が導入されることも報告された。


 また、中期計画(2017~19年度)では、大規模更新の対象箇所の進捗および大規模修繕の対象部位別の計画期間内の取り組みなどについても、下表のように報告された。また、走行快適性の向上として、短区間ジョイントの解消に向けた取り組みとして、ジョイントレス(対象は100m区間内のジョイント数が5以上ある箇所)実施率を10%以上にすることなども発表した。また、そうした維持管理面での周辺環境への負担を減らすため、「ジョイント撤去に際しては伸縮装置低騒音切断工、鋼床版補強時の既設舗装撤去については、IH式鋼床版舗装撤去工法などを採用していく」(幸社長)といったことも紹介された。