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3000t吊FC船で一括架設

宮城県 気仙沼大島大橋の架設を完了

 宮城県は、気仙沼市の三ノ浜と大島の間の大島瀬戸に気仙沼大島大橋(愛称:鶴亀大橋)を建設しているが、28日深夜から29日にかけて、中央径間(径間長297m、鋼重約2,700t(仮設部材込))のFC船による一括架設工事を行い、無事閉合した。同工事は,全5回の架設までに、強風の影響により途中3回ほど中止せざるを得ない事態となったが、3月5日に気仙沼側のアーチリブ架設、次いで補剛桁架設、大島側のアーチリブ架設、同補剛桁架設と次いで5回目の架設となる中央径間を行い全架設を終了した。今後は橋面工等の工事を行っていく。


 鶴亀大橋は、橋長356mの鋼中路式アーチ橋(補剛箱桁)で、同橋のアーチ支間は同形式としては、新木津川大橋に次いで、2番目の長さ(297m)を誇る。下部工は逆T式橋台、壁式橋脚を採用している。


施工前の中央径間とFC船「富士」/吊上げ時の変形を防止するために仮設補剛材が設置されている

 桁はいずれのブロックもJFEエンジニアリングの津製作所で製作され、側径間については、3,000t積級台船により気仙沼港の朝日埠頭に搬入され、その場で3,000t吊級のFC船「富士」(深田サルベージ建設)により建設地まで吊り曳航され架設された。一方、中央径間は、気仙沼港の朝日埠頭に搬入後、一括架設するために現地で地組立作業を行ったうえで,側径間と同じFC船により架設された。


28日午後11時に架設作業を開始/ほぼ吊り上げる方向に向きを変えたFC船


玉掛け作業が進む

  特に中央径間の架設は、28日午後11時に開始、起重機船の係留作業に引き続き、玉掛作業を行い、午前6時ごろに吊上げを開始、6時15分には吊上げを完了して、朝日埠頭を出港し、時速1.6~3.2knotで30分ほどで現場近くに到達して投錨。以降は慎重に架設位置に近づき、7時半ごろに落とし込みを開始、12時30分に仮添接を終え、16時半には現場からFC船が離れた。


午前6時ごろに吊上げを開始


6時15分ごろに吊上げを完了し、朝日埠頭を出港


時速1.6~3.2knotで現場近くまで航行/30分ほどで現地近くに到着し、投錨。慎重に架設位置に近づく


桁を落とし込んでいく

 今後は、仮添接した閉合部付近を風防設備で覆って内外から全断面溶接を施す。また、箱桁の内部は高力ボルトによる添接を行っていく。


 製作時から、製作工場と現場の位置が異なることから、架設時期の気温を考慮し、「温度補正をきっちりとして施工時の原寸に合うような形で製作していただいた」(宮城県)。中央径間の架設に当たっては、先行して架設した補剛桁と閉合するわけであるが、つり下げ位置が決定された後は,セットバック、セットフォーを使わず、「FC船からのウインチ操作や桁に設置された引込装置などで調整」(同)した。中央径間と補剛桁との余裕は片側約40mm程度しかなく、慎重な施工が要求されたが、接触なども起こさず、無事閉合することができた。

 鋼橋の防食は基本的にC-5系塗装を採用している。但し再塗装が困難なアーチと補剛桁の交差部や、ケーブルの定着部および桁端部など損傷が起きやすい箇所については、金属溶射を施工した上でC-5系塗装を施し、LCCの縮減を考慮した塗装仕様としている。また、下部工については、エポキシ樹脂塗装鉄筋を採用し、長寿命化対策に努めている。

 設計は大日本コンサルタント、施工はJFEエンジニアリング(上部工)・橋本店・東日本コンクリート(下部工)JV。同橋を含む一般県道大島浪板線は平成30年度末に完成する予定だ。(井手迫瑞樹)