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日本大学・阿部教授 岩手大学・大西准教授などが講演

秋田道路維持支援センター 橋梁床版維持補修に関する特別講義を開催

 NPO秋田道路維持支援センター(佐藤信雄理事長)は9月16日、秋田市内の秋田テルサにおいて、講習会「橋梁床版維持補修に関する特別講義」を開催した。特別講義には岩手大学の大西弘志准教授(右上写真)や日本大学の阿部忠教授などが招かれて講演を行ったほか、鹿島道路の児玉孝喜氏などがビデオを用いて、床版補修補強に使用する接着剤と補修剤の説明などを行った。会場には秋田県全域から発注機関、建設コンサルタント、施工会社の技術者ら約250人が参加、盛況な講習会となった。


秋田県内から約250人が参加した

 このような講習会を行う背景には、秋田県特有の橋梁床版損傷の状況がある。海岸線は飛来塩分と塩害による劣化、内陸部は融雪剤の散布と凍害による劣化、山間部は当該による劣化と様々な要因があり、ほとんどが凍害と塩害による劣化または複合劣化と考えられている。このため床版のみの健全度調査では他の自治体と比べて判定区分Ⅳが比較的多く存在している。そのため今後Ⅳはもちろん、判定区分Ⅲについても効率的に維持管理していく必要がある。

 今回の講演はそうした実情を考慮して「RC橋梁床版の損傷評価と補修について」大西弘志准教授が講演した。大西氏は全国に約70橋ある道路橋のうち、90%が自治体管理であることに言及し、「詳しい履歴が分かっていそうな自治体管理橋梁は35.7万橋と56.6%に過ぎず、その中でも50年以上経過し、老朽化する橋梁は23.9万橋に達する。履歴が分かっていない可能性のある橋梁は27.3万橋と地方自治体管理橋梁の4割強をしめ、(履歴が分かっている橋梁と)同様の割合と仮定すれば、2033年時点で老朽化および老朽化が疑われる橋梁は42.2万橋に達する」と指摘した。その上でそうした床版の点検を効率化するための例として小型FWD(Portable Falling Weight Deflectometer)の活用などを行い、定量的+効率的+経済的な橋梁点検システムの構築の必要性を説いた。

 阿部忠教授(左写真)は、「定期点検における健全性判定区分Ⅳに対する補強策(床版)」と題して、疲労損傷だけでなく、凍害や塩害の影響で損傷した床版の状況や寿命推定なども詳しく説明した。また、超速硬繊維補強セメントモルタル(リフレモルセットSF)や、母材と断面修復材との接着剤(KSボンド)およびひび割れ含浸プライマー(KSプライマー)、上面増厚補強、各種埋設ジョイントなど実際の補修補強方法についても紹介した。

 その後は鹿島道路や住友大阪セメントの技術者がビデオを用いて床版上面の断面修復工法に使う接着剤と補修剤の説明を行ったほか、建物の外部では、実際にケミカル工事が保有する大型モービル車を使って補修用のコンクリートやモルタルを製造し、模擬床版を用いて床版断面修復の実演を行ったほか、床版内部の空洞などを走行しながら調査できる非破壊電磁波レーダーを用いた点検車「スケルカ」を展示し、出席者に説明していた。加えて場外にも「ストランドシート」や「MM-JOINT DS型」、「グリッドメタル」など各種製品の展示スペースを設け、出席者に紹介していた。


説明を行う鹿島道路の児玉孝喜氏/モービル車を使って補修材を実際に製造

製造された断面修復材を実際にさわる出席者/模擬床版への接着剤の塗布

実演される補修工に熱い眼差しが向けられた/他の補修補強材も展示された

「スケルカ」(左)およびその詳細部(右)