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九州地整の技術支援受け、支承と伸縮装置を撤去、代替

熊本市 白川橋の応急復旧に着手

公開日:2016.06.03

 熊本市は2日、先の熊本地震により被災した地方道熊本停車場線の白川渡河部に位置する白川橋の応急復旧工事に着手した。国土交通省九州地方整備局の技術支援を受け、7月中旬の通行止め解除を目指す。同橋は、1960年に架設した橋長148.8㍍の鋼ローゼ桁+PC2径間ポステン橋。産業道路を経由して熊本駅と熊本市東部を結ぶ幹線道路上の渡河橋であり、1日の交通量は15,000台を超える。そのため、通行止めによる支障は大きく、早期の解除が要望されていた。

白川橋側面図

白川橋の位置

 地震では、右岸側のローゼ桁(A1~P1)端部の鋼製支承が酷く損傷しており、A1側の伸縮装置部でも段差が生じた。そのため今回の応急復旧では、損傷した鋼製支承を撤去し、その代替として桁を支えるサンドルと、H形鋼(サイドブロック代替)からなる移動制限装置を設置する。また、補修用油圧ジャッキも設置しているが、これは大規模な余震が起きた際にサンドルがずれても容易に修正できるよう設けているもの。
 伸縮装置も撤去し、離隔部には敷鉄板と舗装を実施。完了後通行止めを解除する。
 施工にあたっては、河川部にあり桁下クリアランスも少ないことから梅雨時の作業は注意を要するなどの課題を国土交通省の技術支援を得ながら対処した。具体的には吊足場上での施工となる。


支承部の損傷状況(左)/伸縮装置部の損傷状況(右)

応急復旧ステップ図

 応急復旧と並行して、本格復旧工事についても設計に着手している。具体的には鋼製支承から免震支承への取り替えなどで、今年度末には本格復旧も完了したい方針だ。復旧設計は応急、本格とも中央コンサルタンツ。応急復旧は日本橋梁。(井手迫瑞樹、2016年6月3日)

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