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依田照彦氏(早稲田大学理工学術院名誉教授)に伊藤學賞を授与

橋建協 東京で「橋梁技術発表会及び講演会」を開催し、約230人が参加

公開日:2021.10.04

 日本橋梁建設協会(髙田和彦会長、右肩写真)は1日、東京・中央区の銀座ブロッサムホールで、「令和3年度橋梁技術発表会及び講演会」(東京地区)を開催した。昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となっており、2年ぶり17回目の開催となった今回は、会員社をはじめ官公庁、コンサルタントなどから関係者約230人が参加した。髙田会長は開会の挨拶で、「橋建協の主たる活動は鋼橋の技術に関して研究、議論することであり、その成果をもとに重要な社会インフラである鋼橋を建設、維持、補修し、社会のために貢献していく。技術発表会はその技術を広く発表する場であり、橋建協最大のイベントとして重要なものと位置付けている」と述べた。
 技術発表では、「豆谷大橋の施工報告 ~様々な架設工法が採用された左右非対称な鋼中路式ローゼアーチ橋~」と題して架設小委員会の泉谷智之氏が発表を行い、次いで「疲労に強い鋼床版と取替え鋼床版 ~ 近年の橋建協の取り組み~」と題して床版小委員会の齊藤史朗氏が発表を行った。
 特別講演は、東京都道路整備保全公社の紅林章央氏が「珍橋・奇橋を架けよう!」と題し、隅田川に架かる関東大震災の復興橋梁をはじめ全国にあるユニークな構造形式の橋梁を紹介し、橋の魅力は構造美であり、それはさまざまな構造形式があるため、と持論を展開した。さらに、特殊橋(アーチ橋、斜張橋、ランガー橋、トラス橋、吊橋)の建設がピーク時(1992年)の1/10以下となっており、現在建設される橋梁の95%以上が桁橋であることを説明した上で、技術継承のためにも補修・補強のみだけでなく架替えや新設への転換、桁橋以外の橋梁を一定数建設することの意義を訴えた。


2年ぶりの開催となった橋梁技術発表会および講演会/特別講演を行った紅林章央氏

 今年度の「伊藤學賞」「技術功労賞」「奨励賞」の表彰式もあわせて行われ、伊藤學賞が依田照彦氏(早稲田大学理工学術院名誉教授)、技術功労賞が笠坊英彰氏(IHIインフラ建設取締役橋梁事業部長)と高田嘉秀氏(川田工業技術顧問、川田建設理事)にそれぞれ授与された。依田氏は表彰式後に「橋との関わり:設計基準で学んだこと」と題して、設計基準と構造力学の融合の重要性を説いた記念講演を行った。


髙田会長から表彰状を授与される依田照彦氏。表彰式後に記念講演を行った

挨拶をする笠坊英彰氏(左写真)と高田嘉秀氏(右写真)

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