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地方自治体管理の橋梁で措置に遅れ

国土交通省 2020年度の定期点検結果を公表

公開日:2021.08.26

 国土交通省は25日、橋梁などの2020年度定期点検結果を公表した。2019年度~2023年度に実施する2巡目点検の2年目に当たる。
 全道路管理者の2巡目の点検実施状況は、橋梁38%(2019年度17%/2020年度21%)、トンネル34%(同17%/同17%)、道路付属物等40%(同18%/同23%)となっている。1巡目点検と比較すると、橋梁は10ポイント増、トンネルは15ポイント増、道路付属物等は4ポイント増で1巡目よりも点検が進捗していることが分かる。点検結果では、橋梁(対象277,641橋)でⅢ判定9%、Ⅳ判定0.1%、トンネル(対象3,674箇所)でⅢ判定31%、Ⅳ判定0.1%となった。
 1巡目点検でⅢおよびⅣ判定となった橋梁(68,784橋)の道路管理者別の措置状況では、2020年度末時点で着手済みが国土交通省(措置対象3,411橋)83%、高速道路会社(同2,537橋)66%、地方公共団体(同62,836橋)55%で、対象全体に対する措置が完了した割合は、国土交通省42%、高速道路会社45%、地方公共団体35%で、地方公共団体で対策の遅れが目立っている。特に市区町村では、措置対象42,325橋に対して、着手済みが48%、完了が32%と他の管理者と比較して措置が進んでいない状況だ。


2巡目点検の実施状況と結果

Ⅲ・Ⅳ判定の橋梁の措置実施状況

 また、1巡目の2014年度と2015年度の点検でⅠおよびⅡ判定となった橋梁のうち、措置を講じないまま、5年後の2019年度と2020年度の点検でⅢおよびⅣ判定となった橋梁の割合は全道路管理者合計で4%だった。建設後経過年数に比例して、Ⅰ・Ⅱ判定からⅢ・Ⅳ判定に遷移した割合が高くなっている。


橋梁の点検結果の遷移状況

 点検結果の公表とあわせて同省では、「全国道路構造物情報マップ(損傷マップ)」をホームページ上で初公開した。直近5年間(2016年度~2020年度)の点検でⅢ・Ⅳ判定と診断された橋梁、トンネル、道路付属物等の諸元や点検結果、措置状況などを地図上で閲覧できるものだ。さらに、各都道府県における道路管理者ごとの老朽化対策状況を視覚化した情報も初公開した。

・全国道路構造物情報マップ(損傷マップ)
https://road-structures-map.mlit.go.jp/
・都道府県の老朽化対策状況
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/yobohozen_maint_r02.html


損傷マップ イメージ

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