群馬県 大輪沢橋補修工事(その2)
大美塗装 「クイックデッキライト」採用現場で発注者に説明会を実施
大美塗装は、群馬県渋川市川島外地内の「大輪沢橋補修工事(その2)」(発注:群馬県渋川土木事務所)で、日綜産業のシステム吊足場「QuikDeckLight(クイックデッキライト)」を関東甲信越では初採用し、安全性と施工効率の向上を図っている。同社では24日、群馬県渋川土木事務所の職員を現場に招いて、クイックデッキライトの現場説明会を実施した。同所の後藤剛所長は冒頭、「橋梁足場の工夫についていろいろと教えていただいている。初採用の足場が他の現場でどのように活用できるかを勉強したい」と挨拶を行った。
クイックデッキライトは、「クイックデッキ」よりも部材全体を約35%軽量化し、20%以上の施工効率向上を実現したものだ。足場施工を担当した旭コーポレーションの松本剛代表取締役は「部材の軽量化で体の負担が少なく荷下ろしができた。システム化された先行床施工式での組立や部材に落下防止装置をつけられるので安全性も優れている」と評価した。施工は設置面積65.9m2を熟練工1人、作業員2人の3人体制で、午前中のみで完了している。
大輪沢橋に設置されたクイックデッキライト
同工事では、1967年に建設された橋長12m、幅員6.1mの鋼鈑桁橋の塗装塗替え(75.4m2)を実施する。塗膜剥離剤(湿式)を用いて既存塗膜を除去し、ブラスト工法で素地調整を行った後、塗装を行っていくが、「チェーンピッチが2.5mと広いので、足場部材の干渉が少なく塗替え作業ができる。また、施工スパンが大きいことにより作業員が動きやすい」(大美塗装・大澤啓介現場代理人)と施工時の利点をあげた。さらに、1m2あたり200kgの最大積載量も塗装工事では必要十分だという。塗装塗替工は4月末までに完了予定となっている。
渋川土木事務所工務第一係の萩原健二主幹からは、現道の交通規制についての質問があった。同足場では、先行床施工により橋梁点検車が不要であり、足場1スパンに1.2tまで部材を置けるため、規制日数の軽減にも寄与するということだ。
足場内。無段差無隙間、広いチェーンピッチで快適な作業空間を実現
ビームクランプ・チェーンも軽量化している
(左写真)足場内で説明を行う大美塗装・大澤啓介現場代理人
橋梁1巡目点検が終わり、今後、塗替塗装や軽微な補修工事の増加が予想されるとともに、熟練工不足や作業員の高齢化といった課題があるなかで、安全で簡易な組立が可能で軽量な同足場の活用範囲は広いと言える。
(2021年2月25日掲載)