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伸縮性に優れた樹脂性で衝撃を吸収、重機不要で少人数施工可能

ガイアート 舗装補修材「ニンジャシール」を展開

公開日:2020.06.09

 ガイアートは、コンクリート舗装用補修材「ニンジャシール」を日本特殊塗料、オリジンと共同開発し、展開している。同製品は、ひび割れ充填や面的塗布が可能な2液混合常温硬化型ポリウレア樹脂材料で、舗装に発生にしたひび割れのほか、目地部の損傷、角欠け、沈下による段差などの補修に適用できる。伸び率300%というしなやかな物性により、衝撃を吸収するため既設舗装を傷めず、さらに万が一飛散しても大きな事故につながる可能性が少ないことが特徴だ。
 強度と耐久性においても供試体を用いた上面載荷試験で曲げ強度の85%以上、下面載荷試験で曲げ強度の105%以上を発現(コンクリート曲げ強度は4.5N/mm2で計算)し、高機能舗装と同等以上の耐久性を有するラベリング試験結果となった。
 施工では、補修部のコンクリートのはつりが必要ないことから、重機は不要で少ない人員で対応でき、1箇所・1m2あたり4時間程度での早期交通開放が可能だ。また、施工に必要な材料が1缶にすべて入ったキットとなっているため、熟練者でなくても取り扱いやすいものとなっている。


ニンジャシールの施工状況/1缶に材料をすべてパッケージ化

 同製品は、2019年度までに同社が施工する国道維持工事に技術提案を行い、繰返し発生していた段差振動の苦情を解決したほか、北陸地方や中国地方の高速道路のトンネル内コンクリート舗装の版端部や目地の補修に採用されている。また、職員による直営施工で橋梁補修DIYを実践している熊本県玉名市では、機能不全となった埋設型橋梁ジョイントの遊間部に適用された。「付着が強く動きに追従し、目地だけでなく面的にカバーできる点」が評価されたという。
 従来のコンクリート舗装のひび割れ補修では、コンクリートをはつりジェットコンクリートを打設する方法が多く、交通開放までに時間を要することや、衝撃等から再劣化が発生しやすく周囲の脆弱な部分からの剥離が課題となっていた。アスファルト系補修材の加熱注入では、トンネル内での火災や火傷のリスクがあった。
 同製品は1缶あたり5mm厚、1m2の施工が可能で、販売価格は45,000円(税別)となっている。


補修事例 施工前(左)と施工後(右)

(2020年6月9日掲載)

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