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約300人が出席

日本建築あと施工アンカー協会 技術発表会を初開催

公開日:2019.08.29

 日本建築あと施工アンカー協会(JCAA)は28日、東京・一橋大学一橋講堂で「あと施工アンカー技術発表会」を開催した。同協会として初開催となった会には約300人が出席した。山本忠男会長(右肩写真)は開会の挨拶で、「あと施工アンカーは目立つ存在ではなく、外からはアンカーはなかなか見えないが、建築の耐震工事をはじめ、機器設備の設置、その他多方面に使われており、土木分野でもトンネル、道路、港湾などあらゆるところにあと施工アンカーが使用されている。本日の技術発表会は日頃からあと施工アンカーの研究に携わっている先生方にお願いをして、あと施工アンカーのことを広く知っていただく機会になることを願い企画した。今後もこのような発表会を継続していきたいと考えている」と述べた。
 土木分野では、東日本旅客鉄道(JR東日本)の井口重信氏が「接着系あと施工アンカーの耐久性に関する試験の導入とその後」と題して発表を行った。鉄道関係では、振動の影響を懸念し金属系(拡張)アンカーではなく接着系アンカーを優先使用しているが、その耐久性(耐アルカリ性、長期持続荷重、疲労、耐振動)に関する試験結果と試験に対する課題を語った。さらに、JR東日本(在来線)の橋梁は建設後平均56年が経過し、トンネルは平均72年が経過していて、今後、補修を行う構造物が増大していく。その際には、あと施工アンカーに頼る工法が大多数なので、現状まだ課題が多い耐久性の評価方法について、信頼性の高い方法の確立が必要と述べた。
 また、「耐震補強接合部における力学挙動に関する研究」(髙瀬裕也氏/室蘭工業大学大学院准教授)、「あと施工アンカーによる直線定着主筋を有するRC壁柱状部材の履歴復元力特性」(杉本訓祥氏/横浜国立大学大学院准教授)のほか、UR都市機構とJCAAの共同研究「UR静充填型あと施工アンカー施工指針(案)(接着系注入方式カートリッジ型)」(渡辺一弘氏/日本総合住生活)の発表が行われた。


会員各社の社員、学識者、施工関係者など約300人が出席した

(2019年8月29日掲載)

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