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軽量で施工時の姿勢も問わず、安全性・耐久性も向上

宮川工業 橋梁・造船のR面取用途にチップ式でハンドリング性もよい「RUNまるくん」と「マルクス・ネオ」を展開

公開日:2019.01.29

 宮川工業は、橋梁・造船用途に塗装前加工が手軽に行えるエアー式自走R面取り装置「RUNまるくん」および、エアー式ハンディR面取り機「マルクス・ネオ」を積極展開している。塗膜剥離を防ぐため、橋梁・造船分野ではフリーエッジ部の2R加工が義務付けられている。従来こうした部位は人力によるサンダー斫りで行われていたが、長時間同じ姿勢を強いること、サンダー斫りでは研削のために角が立ち、未熟練技能者では面取りのRがきれいに形成されにくいという課題があった。斫り形式をチップ式にすることで面取り品質も向上させ開発した従来のR面取り機より今回の商品は、軽量かつコンパクトにすることでハンドリングもさらに改善した。RUNまるくんは2018年10月の販売開始以来、造船ファブを中心に40台、マルクス・ネオは同年4月の販売開始以来約200台の販売実績を有しており、生産が追い付かない状態だ。

RUNまるくん(左)とマルクス・ネオ(右)

RUNまるくん(左)とマルクス・ネオ(右)の機械概要(拡大してご覧ください)
 RUNまるくんは、造船・橋梁において、比較的大きな素材に使われる自走式R面取り装置で、特に長い直線や加工しづらい内径曲線加工に使われている。面取り量はR3相当。切削によりR面取りを行うチップ式のため、技能者が熟練していなくても均一の面取り加工が可能となり作業時間も短縮可能となった。

内径曲線加工もお手のもの
 また、従来の自走式と異なり、器具の固定にマグネット方式を採用しているため、平板の状態で簡単に部材セットが可能。駆動源はエアー式のため特に「安全面などから造船業界からは製造依頼が殺到している」と話す。従来のセッティング方法は200V電源およびエアーを準備したうえで部材をクランプで挟み込みスイッチを入れる方法をとっていた。

器具の固定にマグネット方式を採用
 本体重量もRUNまるくんは13.2㎏と従来の約17㎏と比較して2割ほど軽くしている。

 マルクス・ネオは、橋梁・造船分野において比較的小さな素材に使われるエアー式ハンディR面取り装置。面取り量はR3相当。

マルクス・ネオを用いた施工と仕上がり状況(写真右下囲み部)
 従来品に比べて3分の2の2.2㎏に軽量化しておりよりコンパクトに扱うことができるようになった。モーターの仕様も小型化し、簡素化すること故障しにくい構造とし、加えてセンターローラの軸径(φ4mm→5mm)を大きくすることで機械の耐久性を向上させている。

 RUNまるくんの本体販売価格は1台120万円、マルクス・ネオは同14万円(いずれもチップは別売)。

(2019年1月29日掲載)

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