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長さ52m、重量約226tの桁を1250t吊クローラークレーンで架設

首都高速道路 大井JCTの東京モノレールと1号羽田線(下り)を跨ぐ部分の桁を架設

公開日:2019.01.23

 首都高速道路は、首都高速1号羽田線(東品川桟橋・鮫洲埋立部)更新工事において、21日深夜~22日未明と22日深夜~23日未明の2日間にわたり、大井JCTで東京モノレールと1号羽田線(下り)を跨ぐ部分の桁を架設する工事を行った。長さ52m、桁重量約226t(吊上重量は約341t)の鋼床版箱桁ブロックを、東京モノレールのき電停止時間内(0時半~4時)という時間的制約と、京浜運河の上の作業構台上に配置した1,250t吊大型クローラークレーンでの作業という場所的制約があるなかで架設した。
 初日は1号羽田線の下り線・芝浦~勝島間を夜間通行止めにして、22時頃に地切りして恒久足場を取り付け後、0時10分頃に作業半径を小さくするためにブームを起こして、桁をブーム側に寄せた。この状態で吊上げ時のカウンターウエイト160tを取り外した。カウンターウエイトを設置したまま旋回するのが一般的であるが、構台上の限られたスペース内では危険なので、ウエイトを一度取り外した状態とした。
 東京モノレールの線路閉鎖が確認された1時からクレーンを左旋回して、J8-2(湾岸線側)~J13(羽田線側)間の架設位置に到達させた。ここで所定の位置に準備をしておいた吊下げ時のカウンターウエイト450tを取り付け、ブームを倒して桁を架設した。J8-2はボルト添接、J13は更新(供用停止)中の上り線の新設鋼桁の上に設置した仮設橋脚に仮支承固定した。線路閉鎖解除前の3時半に架設作業を完了し、4時過ぎに羽田線の通行止めも解除した。
 架設桁は最小曲線半径が88mの曲線桁であることに加え、J13側への上り勾配6%、横断勾配も8%ついていたため、架設にあたり重心位置を事前に綿密に計算したうえで、玉掛位置を決定した。8本のワイヤーで16箇所の玉掛としたが、現場でもチェーンブロックを用いて微調整をして、吊上げ前に入念な確認を行った。また、J8-2側でもチェーンブロックで桁の形状にあわせて位置の微調整を行いながら、仕口を合わせていった。
 2日目は線路閉鎖後に、1日目に残しておいたクレーン吊荷重10%の解放作業を行った後に、玉掛設備を解体した。その後、カウンターウエイトを取り外し、クレーンを旋回させてブームを構台上に戻す作業を行った。


地切り後、恒久足場を取り付けた/構台上に配置されたクレーンと架設桁

作業半径を小さくするためにブームを起こす

吊上げ時のカウンターウエイトを取り外す

モノレールの線路閉鎖後、旋回を開始

(右)吊下げ時のカウンターウエイトを取り付け

微調整をしながら吊下げを実施

(右)J13の仮設橋脚

(2019年1月23日掲載 文・写真:大柴功治 詳細は後日、「現場を巡る」でレポートします。)・1月30日修正

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