道路構造物ジャーナルNET

工程短縮が好感 同社全体の塗料出荷を引っ張る

大日本塗料 塗布形素地調整軽減剤「サビシャット」が昨年度比3倍増

公開日:2017.02.17

 大日本塗料の塗布形素地調整軽減剤「サビシャット」の出荷が好調だ。同製品は、鋼橋など鋼構造物において、物理的な素地調整法を必要としないかまたは軽減可能な塗料。平成27年にNETIS推奨技術となったことにより、今年度は昨年度比3倍増を達成する見込みだ。従来の鋼橋分野のほか、マンションの外階段や鋼製の屋外立体駐車場、落下防止策、加えてプラントや観覧車などの遊戯施設など大型の鋼構造施設における工程短縮(簡易的なさび落としで、サビシャットを塗布し工程を短縮することができる)を図ることのできる材料として重宝されており、現在では土木が4割、建築が6割程度の出荷比率となっている。従来の2種ケレンに比べコストを30%程度縮減できるほか、塗るだけで施工可能であるため施工時間を従来比約半分に短縮でき、熟練工も必要としない。

施工事例

 同製品は、同社の塗料全体の出荷量の安定にも寄与している。「全体としてはプラントや鋼橋の新設・塗替などは弱含みだが、サビシャットは塗料全体としては局部的なさび面(5%程度に使うものであり、したがって、その上に塗られる塗料の需要を動かす原動力になっており、厳しい市況下でも前年度比で堅調な出荷量を実現する武器となっている」(同社)としている。
 この塗布形素地調整軽減剤は清掃ケレン程度の簡便な前処理の後に塗布するだけで、従来の2種ケレンを施した場合と同等以上の腐食要因が存在しない清浄な下地が形成できることが特徴だ。動力工具が狭くて入らない、又はボルト部など凹凸のある箇所や、都市部の様な動力工具処理によって生じる粉塵や騒音が制限される環境、化学プラントなど動力工具処理によって発生する火花が制限される環境においても施工可能。こうした箇所は動力工具による除錆は困難であり素地調整が不足しがちだが、サビシャットを使用することで、動力工具処理にかかっていた時間・コストが削減でき、また粉塵・騒音を無くす事が可能で、環境にも負荷をかけず施工できる。

施工時間・コストを縮減でき、環境に負荷をかけず施工できる

 素地調整剤の防錆メカニズムは、①さび層に塗布された素地調整剤はその脆弱部分に含浸し、湿気硬化形樹脂が水分を取り込んでさび層の凝集力を高める。②イオン固定化成分が腐食性イオンを水不溶性の塩として固定化し鋼材素地を不導体化する。上記の作用により、腐食性イオンは固定化、無害化され、その上から塗り重ねても界面の劣化による早期再劣化の心配がないため、塗り替え塗装品質の向上が期待できる。

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