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同社が大学との包括連携協定を結ぶのは初事例

首都高速道路と横浜国立大学が包括連結協定

公開日:2015.12.26

 首都高速道路と横浜国立大学は25日、同大学において包括連結協定を締結した。両社間は2013年9月に同社神奈川建設局と同大学都市イノベーション学府・研究院との間で包括連結協定を結んでいたが、これを全体レベルに格上げするもの。首都高速道路が大学とこうした協定を結ぶのは初の事例となる。提携分野は共同研究などの実施、技術者などの相互交流、研究成果の活用、教育、人材育成の推進など。菅原秀夫社長は「建設が始まる横浜環状北西線などについて、地元の大学の地に足を付けた専門的な知識や研究を活用させていただきたい。また、当面の研究課題としては地震に関する研究、もしくは中央環状線のトレーラー事故などもあり、安全の観点からのアドバイスもいただけたらと思っている」と述べた。

 両社間ではこれまで主に横浜環状北線の技術的課題に関して個別の連携を図ってきた実績がある。また、2011年から理工学部都市基盤EPの授業に、非常勤講師を首都高速の上級技術者を招聘する交流などを継続中している。
 2013年9月には横国大の都市イノベーション研究院と首都高速道路株式会社神奈川建設局との間で包括連携協定を締結し、都市イノベーション研究院に所属する土木工学を専門とする研究グループと首都高速道路の神奈川建設局に所属する技術者との間で技術検討会を開始した。神奈川建設局は、現在首都高速の横羽線新子安JCT~第三京浜港北ICに至る横浜環状北線の建設を進めているが、この路線にはシールドトンネルや大規模橋梁などが含まれている。技術的課題も多いことから神奈川地区の首都高速道路に関する技術的課題に対して、年2回程度の全体会合と担当者レベルでの検討を行うというもので、以来4回意見交換会を実施してきた。
 さらに昨年10月には横国大に先端科学高等研究院が設置され、その中の社会インフラストラクチャーの安全研究ユニット(主任研究者:藤野陽三上席特任教授)において、安全で事故や災害に対して強靭なインフラ構築に向けたセンシング、ロボット技術など先端技術の活用、効率的なインフラマネジメント技術の構築などの研究を展開しており、首都高速と協議を進める中で神奈川建設局のみならず、首都高速全体の防災、リスクマネジメントに対して、社会経済、心理学などの幅広い分野も加えて、研究を実施するのが良いという方向が打ち出されていた。
 また、横国大は「ICTの活用、情報セキュリティなども(首都高が目指すビッグデータの活用において不可欠だが)当学の強みのある分野」(長谷部勇一学長)であり、同社の目指すビッグデータの蓄積・活用などの分野でも大きな進展を期待できそうだ。

前段中央左が長谷部学長、前段中央右が菅原社長、後段右から4番目が藤野上席特別教授

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